2023年4月30日日曜日

The Ebon Arm

『エボンアーム』

ウィッテン・ロル 著


────大地が揺れる。

偉大な軍団は激しく、終わりのない戦いを続けている。戦場は朱に濡れ、川の流れは真紅に染まり、空は暗いピンクの色を反射している。

彼方にて閃光が走り、雷鳴が響く。二羽の大きな鴉が戦場の上を回り始める。その黒さは、さまざまな赤に染まる死と苦痛の光景に反して、活力に満ちている。
目も眩む光と轟きが高まり、次第に戦場を取り巻く赤い色は、東から来る夏の陽光が如き黄金の輝きにとって変わり始める。そして、太陽と見紛う輝きの内より巨大な黄金馬と、その乗り手が現れる。
その場に居合わせた全ての者が俄に手を止め、戦場に立ち尽くす。彼の者こそが、レイモン・エボンアーム。戦の神。遍く戦士の同胞にして擁護者。黒騎士その人であり、比類なき名馬、ウォー・マスターの騎手なのだと悟って。

────彼は、血に濡れた戦場の中心へ来て馬を降りる。
その姿は威光を放ち、隆々とした巨躯は黒檀の鎧に収められている。黒檀の兜は、流れる赤みがかった金色の長髪と髭を隠してはおらず、全ての者の上に突き刺さるような鉄の如き碧眼もまた顕になっている。
彼の左手には、燃えるような赤い薔薇の紋章で飾られた、堅牢な黒檀の大盾が備えられている。
彼がその右手を上げると、比類なき黒檀の刃と一体となり、それぞれの延長となった一本の腕を皆の目に映る。融合した腕と剣は、世界の黎明の神話的な戦いでこの神が受けた傷の結果であり、象徴である。

────鴉たちが彼の肩へと舞い降りる。
黒檀の刃の切っ先が空に触れるかに見えると、稲妻が光り、雷鳴が轟く。そうして完全な静寂の帳が落ち、兵たちの間に戦慄が走る。

────両軍の指導者はレイモン・エボンアームのもとへ近づき、跪いて、順番にこの戦の理由を述べる。双方が各々の大義のため、黒騎士の支持を求める。レイモン・エボンアームはそれに耳を傾けるが、この討議においてどちらか一方を選んだことはない。
しかし、双方の指導者は、相手方の立場と意見を聞き、共にこの戦が理に適わぬものだと知る。彼らは抱擁を交わして軍のもとへ戻ると、兵たちに死者を葬り、負傷者の手当てをし、故郷へ帰るように告げる。

────レイモン・エボンアームは彼の偉大な黄金馬、ウォー・マスターに跨がり、黒檀の刃を再び空に掲げて、薔薇の紋章の盾を両軍の兵たちへ向けてかざす。盛大な歓声と賞賛の合唱が響き渡り、鴉たちがまた空へ舞い上がる。彼が二羽の鴉を従え夕陽へ向けて馬を駆り出すと、閃光と雷鳴とがその後に続く。

────兵たちは命じられたことを為す。彼らが互いの怪我を労わり、死者を弔い、故郷への家路につくとき、戦士たちは偉大なる神、レイモン・エボンアーム、彼の黒騎士が、仲裁を願う彼らの内なる祈りに応えたのだと確信している。双方が勝利をし、どちらも敗れてはいないのだ。

────兵たちが野を去ると、川の流れは澄みはじめ、斃れた英雄の墓の傍らに、一輪の赤い薔薇が花を開く。



――――――――――――

TES2ゲーム内書籍『The Ebon Arm』を訳したものです。
同書籍はSKYRIM Creation ClubのRedguard Elite armoryにも収録されており、(準?)公式日本語訳もありますが、ここに掲載しているものは拙訳になります。(せっかく訳したからね。もったいないからね)

エボンアームについての記述はTES2以降一時的に消えており、ESOにて再録された『マケラ・レキの記憶石』という書籍から該当の部分がなくなっていましたが、↑のCCコンテンツにこの本が再録されたことで再び名前が見られるようになりました。
SKYRIMに登場する黒檀の戦士がゲーム内データ的にレッドガードであることから「エボンアームが元ネタなのでは?」という説があるほか、ESOで登場したセレスティアルの初期デザインにもエボンアームとの共通点がみられます。


原文:Lore:The Ebon Arm - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:The_Ebon_Arm

レイモン・エボンアームのuesp記事
Lore:Reymon Ebonarm - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:Reymon_Ebonarm

The Light and the Dark

『光と闇』


「そうだよ、子供たち。このタムリエルの地が ‘アリーナ ’と呼ばれているのは偶然ではないのだ」

老人は自らの重みを支える大きな岩の上で体の向きを変え、彼の灰色の長いローブをまっすぐにした。淀んだ目は焦点を失い、ハイロックの山々の太陽に温められた渓谷を見つめていた。一瞬、その目は春の新緑のかわりに古代の恐怖の幻影を見た。彼の老いた骨に寒気が走った。

「これは若く無垢な者たちにふさわしい話だろうか?」と、彼は自らに問うた。若人は教えを受けなければならない。だが、陽光の中で遊んでいるべき今このような時に、こんなことを学ばなければならないのだろうか? これは、城壁に囲まれた町の外で風が吹き荒れ、風雨や寒さに備えてドアや窓が閉ざされ、かんぬきまでかけられたような、そんな暗い冬の日のための物語なのだ......。

彼は二人の孫を愛おしく見つめた。亜麻色の髪の小さな男の子は、珍しく静かに座っているときでさえも、その目に悪戯心を踊らせている。その隣には彼の姉がいる。おとなしい女の子だ、と老人は思った。暗い炎のような髪と、少しとがった耳だけが、彼女に流れるエルフの血を示している。彼女の祖母にように、と老人は思った。戦いに明け暮れた老人に、イシラは安らぎと幸福を与えてくれたものだった。彼は無理やり思考を現在に戻した。

「すまないね、子供たち。物事を思い出していたんだ。年寄りはよくそうするんだよ、知っとるね」

「ジャガル・サルンと、皇帝と、エターナル・チャンピオンのお話をしてくれるの?」彼の孫がたずねた。「お気に入りの話なんだ!」

「いいや、子よ。だが彼らもある意味では、その一部だったのだよ。イリクやモレリン、エドワード、レイモンと、他の多くの者たちと同じようにな。神々でさえもその一部なのだ。これは遥か大昔の話だ。司祭たちでさえ、わしのようには語らないだろう。彼らには彼らの解釈があり、恐れがある。わしは年を取りすぎたし、あまりに多くのものを見てきたから、もうほとんど恐れというものを抱くことはないが、人々が物事を忘れてしまうことだけは恐ろしい。忘れるというのは危険なことだ。だから、わしや他の幾らかの人らがこの物語を聴いて伝え、若い人たちに広めようとしているのだ。おまえ達はまだ全部を理解できる歳ではないが、わしは自分の終わりがそう遠くないことを感じている。だからとにかく覚えてもらわないといけない。ひょっとしたら数年か後にわしがまだ生きていれば、またこのことについて話せるだろう。そうでなければ、まあ、他の知っている人を捜して、自分の覚えたことを比べあわせにゃならないな」

「まるでもう死んじゃうみたいに話すのね、おじいちゃん」彼の孫娘が口を開いた。「そんなのありえない。おじいちゃんはずっと生き続けるの!」

老人は微笑んだ。「残念だが、そうではない。だが、あともう少し、この話をするのに十分な時間くらいは残っているだろうよ」

子供たちは、老人がすぐには始められないことを知っていたので、大きな樫の木の枝に腰を下ろした。老人は前屈みになり、このように話し始めた。

「はるか遠い昔、人がまだ一人もいなかった頃、神々さえもなかった頃、タムリエルは二つの……ものによって、戦いの場として選ばれた。彼らにふさわしい名前を見つけるのは難しい。わしはそれらを《光》と《闇》と呼ぶ。他の者は別の名前を使う。善と悪、鳥と蛇、秩序と混沌。これらの名前はどれも本当には当てはまらない。それらが正反対の位置にあり、とにかく相反するものであるということがわかれば十分だ。わしらが知っている言葉の上では、どちらも善や悪とは言えん。それらは実際には生きていないので、不滅だが、確かに存在はする。神々と、その敵であるデイドラたちでさえ、それらの永遠の対立の淡い反射に過ぎないのだ。それらの争いは周囲を歪めるエネルギーを生み出し、そのエネルギーはあまりにも強すぎて、流れの中の渦のように、生命が現れることがあるのだ」

「悪魔やトロールはその闇から来るの、おじいちゃん?」

「正確にはそうではない、子よ。わしらが知っている邪悪なアンデッドやオブリビオンに住む悪魔は、《闇》と結びつきやすい。彼らの性質はよりそれに近いのだ。人間やタムリエルの民は、誤解されているダークエルフでさえも、より《光》に結びついている。わしらの中の悪は必ずしも《闇》とは限らない。だが、中にはそういう者もいて、そういう奴は本当に危険なのだ。ジャガル・サルンはほぼ完全に《闇》に属していた。それゆえ彼は怪物のように残忍だったのだよ。黒魔術師だったからというわけではない。いくらかはそれも関係していたかも知れないが」

「彼の魔法はその闇から来たの、おじいちゃん?」魔法と聞いて少女が興味を持った。彼女の中に流れる血がその片鱗を見せ始めたのだ、と老人は思った。

「いいや、魔法の力は二つの存在の間に渦巻いているエネルギーから直接生まれてくる。このエネルギーに性格はなく、すべてが混ざり合っている。黒魔術の問題は、その効果よりもむしろ意図にあるのだよ。例えば魔術師ギルドは、危害を加えようとしてくる生物に向けて火の玉を放つのは黒魔術ではないと言う。だがその一方で、同じ呪文を平和を求める者に向ければそれは黒魔術であると言うだろう。この点では、彼らの言うとおりなのだ。火のデイドラを破壊すれば、《光》はほんの少し強まり、《闇》はほんの少し弱くなる。同じように、ユニコーンを傷つければ《闇〉を強めることになる」

「神々はどうなの? 彼らは《光》から来るの?」少年の目は生き生きとしていたが、不安を帯びてもいた。彼はタムリエルの神々と女神、そして彼らに仕える英雄たちの物語を愛していた。

老人は微笑んだ。「最古の物語のいくつかが真実ならば、神々は変わった起源を持っているのだよ。この世界の最古の住人たち──彼らがどのような種族であったかは誰にもわからない──は、彼らが千年にもわたって信じてきた神話の体系を持っていたのだ。もしかすると、もしかするとだが、エト・アダの人々はあまりにも長く、そして良くそれを信じていたので、その信仰がタムリエルを取り巻くエネルギーを引き出して神々を誕生させたのかもしれない。もしそうだとするならば、《光》と《闇》の対立がエネルギーを提供しエト・アダ人が構造を提供したのが、タムリエルの神々の起源ということになる。あまりに昔のことであり、当時から生きている者はもうほとんどいないから、本当のところは誰にもわからない。今では神々が独自の存在を持っている以上、それはもう問題ではないということだ。そうした神々はそのほとんどが《光》に属している。一部の例外もあるがな。言うなれば、一部の神々には少し曖昧なところがあるのだよ」

「どうして覚えていなくちゃいけないの、お爺ちゃん? 危険って、なんのこと? その光と闇がそんなに大きくて強いなら、わたしたちでなにかを変えることはできないかな? 試してみるべき? わたしたちは何のために戦うべきなの?」

「物事を批判的に観察する能力が育ってきたようだな、ソララ。いいことだぞ。答えは単純なことだ。我々のような単なる定命の人間にとって、それは大きすぎて手に負えない。光と闇は互角であり、おそらくその対立が終わることはないだろう。人間やエセリウスに属する存在は時々、その痕跡を感じとることができる。そこに危険が潜んでいるのだ。わしらの多くにとって「光」はより馴染みやすいものであり、ときにわしらを鼓舞して、わしらが善と呼ぶ行為に駆り立てるものだ。わしらのような生き物にとって、闇は……恐ろしい。その幻を見た者はしばしば狂い、そうでなければ死よりもひどいことになる。闇は我々にとって怪物のような虚無であり、魂をそこに吸い寄せ、捻じ曲げ、傷つけ、最後には壊し尽くしてしまう。わしらがそれについてわかるのは、まったく邪悪なものであるということだ。もしかすると、ここではない別の場所では違うのかも知れないが、この世界ではそうなのだ」

老人は考えをまとめるためにしばし口を閉ざし、今一度、春の新芽のような若々しい命を見つめた。「忘れてはならないのは、"闇 "は常に存在し、わしらの中の弱い心の持ち主に手招きしているということだ。その邪悪な魅力に取り憑かれた者がタムリエルを支配するようになれば、恐ろしいことが起こるかもしれない。わしらが美しいと思うもの、好ましいと思うものはすべて、愛そのものさえも、一掃されてしまうだろう。平和や希望はなくなってしまう。タムリエルにとって、それはもっとも恐ろしい災厄となるだろう。ジャガルの統治の間にわしが目にしたものは、わしを殺しかけ、あと少しのところで心を壊すところだった。奴が滅んだとき、わしは最悪の事態は終わったと思ったが、そうではなかった。闇の勢力が再び進軍しておる。新たな英雄が立ち上がり、エターナル・チャンピオンと共に、奴らと戦わなければならない」

老人と子供たちはしばらくの間、黙ったまま座っていた。それからようやく、子供たちは祖父が立ち上がるのを手伝ってゆっくりと歩き出した。我が家と、団らんと、昼食に向かって。



――――――――――――

TESⅡ:Daggerfallゲーム内書籍『The Light and the Dark』の拙訳です。
TESの世界についての設定はTESⅢ以降少しずつ変わっているようなので現在の設定とは違う部分もありそうですが、こちらの書籍は比較的最近のSKYRIM CCのコンテンツで登場しているので没というわけではないはず。
ふたつの対立する大きな力同士の衝突で生まれる世界、可能性の世界、という要素は影の魔法の設定にも繋がってきそうです。(参考:『影の書』https://akaviri-tongue.blogspot.com/2023/06/scroll-of-shadow.html

原文:Lore:The Light and the Dark - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:The_Light_and_the_Dark

2023年4月26日水曜日

ロアマスターズ・アーカイブ:魂の解釈

LOREMASTER’S ARCHIVE: THE INTERPRETED SOUL

08/29/2014


魂の性質について書かれた新しい伝承の本を読んで、あなたの疑問を解決してください。

本日は、聖蚕会のクラシウス・ヴィリア修道院長が新しい伝承の本と共に、魂や死、その先に待つものについての質問に答えてくれます。お楽しみに。

次号では、Thendaramur Death-Blossomがデイドラの君主ボエシアに関する質問にお答えします。……までお送りください。(※2014年掲載時の内容です)



『魂の解釈』(※ESOゲーム内では『割り当てられた魂』という題で実装されています)

クラシウス・ヴィリア修道院長 著

THE INTERPRETED SOUL
By Abbot Crassius Viria


ある新人修道士が昨夜私の瞑想を邪魔した。彼は驚き取り乱していた。「修道院長様!」と彼は泣き叫んだ。「今までで一番恐ろしい夢を見ました。トンネルで長老達の世話をしていたのです。水や食べ物を持って行ったり、安らぎの歌に耳を傾けたり…いつもと同じ静かな一時でした。聖蚕の優しげな羽ばたきが聞こえました。しかし突然、私の視界はおぞましい亡霊どもで一杯になったのです!肉体を持たない死者が回廊をさまよっていました。まるで聖蚕が彼らをエサにしているように私には見えました。彼らの霊的物質の名残…おそらく魂そのものを吸い取り、それで空腹を満たしたのです!修道院長様、これは狂気なのでしょうか…ただの夢にすぎないと言ってください!」。

我が教団の新人修道士が不穏な夢に悩まされるのは珍しいことではない。我々の聖なる任務と星霜の書、そしてその計り知れない謎に近づく知恵を与えてくれた先人について学ぶとき、新人がそのような夢を見ることはよくあるのだ。書から得られる知識の多くはあくまでも体得しなければ自分のものにはならない。私は日々の激務で疲れ果てていたが、何とか彼の中にある恐怖を取り除くことができた。我が教団と魂との関係性、そして定命の者の存在を越えて知識の断片を守っている聖蚕に関して、彼の疑念を取り払ったのだ。

我々の奥義は召喚師や死霊術師が使うような粗野なものではない。彼らは魂を宿主から引き剥がし、それを拘束して、魂の行き先や本質を考慮せずにそのエネルギーを無理矢理方向転換させるだけだ。聖蚕と先人の魂の交流はもっと繊細であり、聖歌の木のように自然なものだ。そして我々は、織糸を見て宇宙のつづれ織りを読み解こうとする根気強い観察者だ。聖蚕と先人に仕えることによって、我々は導きを得る。因果関係を理解せずに、意志を不器用に行使することなど決してない。

私は彼にこう言った。魂は聖蚕と多くを共有している。その2つは象徴的な組み合わせだ。すべての存在の中心にあるエドラの衝動が魂そのものであると考えがちだが、私は別の見地で捉えるよう忠告した。言わばそれは、聖蚕の羽のように鱗片をはがされたもので、定命の存在に起こる事象を終始流れる導管で構成されていると想像すればよい。ニルンでの生命から解放されると、一種の消散が始まり、その後魂が持つ「平和への意思」の歌を聖蚕は学ぶ。そしてそれが我々に導かれ、何世代にも渡って守られ続けるのだ。

「平和への意思」そのものは、創造の偉大なる織物や、行き先のすべてに散在した魂の名残との関係を保たなければならない。このつながりと辛抱強い世話を通じて、現在や過去や既知の世界を超えた時間の関与しない場所から我々は導きを授かる。聖蚕は先人の魂を拘束や消化するのではなく、まるで壮大な歌の序奏部のように、彼らがろ過したものを我々に復唱するだけだ。

完全なる理解の夜明けはまだ彼に訪れていないものの、聖蚕に対する彼のむき出しの懸念はどうやら解消されたようだ。彼の旅の手助けができて私は満足だった。私は彼にこう告げた。来週はシルクの部屋の床を磨いてもらう。その間、魂の本質について考える時間はたっぷりあるだろうと。私の夜の瞑想を邪魔した罰として、それぐらいはしてもらわなければ困る。



クラシウス・ヴィリア修道院長があなたの質問に答えます:
THE ABBOT CRASSIUS VIRIA ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「ノルドの一人として、私は自分の魂がショールの許しを得てソブンガルデに行くであろうというのを知っていますが、もし私が選んだとしたら、ソブンガルデを離れエセリウスの他の領域に行くことはできますか? それとも、私の魂はその領域に結び付けられるのですか?」── Rhaegar Volkerより


クラシウス・ヴィリア修道院長の回答
「死者の魂が召喚され、エセリウスでの滞在について語ることは稀です。ですが我々の教団が確信するところによれば、意思に基づく行動、そのような旅などは、意思というもの必要とされない場所においては稀であると考えられるでしょう。選択の意味がない場所には、選択肢はないのです」


「ファロウストーンの間の賢者スヴァリの本には、ハーシーンは全ての死するライカンスロープの魂を奪い去る(※claim)と書かれています。これを読んで、定命の者の魂が死後に行く場所について最終決定の権利を持っているのは誰なのかという疑問が浮かびました。この例から言うと、エイドラよりもデイドラの君主の方がより大きな決定権を持っているように思えます。人間の魂をめぐって、神々の間で何らかの対立が起こる可能性はありますか? そしてもしそうなら、何がこの対立における決着の決め手になりうるのでしょうか?」── Inkwolfより


クラシウス・ヴィリア修道院長の回答
「賢者スヴァリが記した、ハーシーンが全ての死するライカンスロープの魂を"奪い去る"というのは詩的ではありますが誤解を招く表現です。生きている間の選択によって魂がどこへ行くかを決めるのは、あくまで定命の者たち自身です。とは言え、しかしながら、虫の教団の死霊術師たちが儀式の犠牲にした定命の魂を乗っ取ってデイドラの領域に送る方法を見つけたというような報告もあります。これが本当なら恐ろしいことですが、我々は今のところ明確な確証を得ていません」


「タムリエルを旅していて、意識を持った友好的な幽霊の数が異常に多いことに気づきました。これはあの次元融合と何か関係があると思いますか? それとも他に理由があるのでしょうか?」── Basha-joより


クラシウス・ヴィリア修道院長の回答
「ここ1、2年で安らぎを得ぬ霊魂の数が増えたことは否定できません。実際、我々の推定では、そうした霊魂の出現数は歴史的に見ても多くなっています。同時期に我々の世界がデイドラと、ダークアンカーと呼ばれるものに襲われているという事実は偶然とは思えません。恐ろしいことに、現実を織りなす糸がほころびつつあり、"書"はあいまいな結果を語っています」


「修道院長殿、私は信仰に関するシンプルな質問とやや入り組んだ話題を持って参りました――顔の毛と、それが持つ形而上学的意義についてです。髭(とあらゆる体の毛、もし該当するなら)は聖蚕会、そして古代ニベネイの文化においてどのような役割を果たしているのでしょうか? それらは、なにかしらの形で、我々の集団においての精神的役割とアービス内の居場所と関係しているのでしょうか?」──大いなる愛を込めて、Vivul Maloren, of Ald-Cyrodより


クラシウス・ヴィリア修道院長の回答
「男性の聖蚕の僧侶の多くが特徴的な顎元をしているのはたしかに事実です。それらは威厳があり時にはきらびやか、はたまた伸ばしっぱなしのぼうぼうで、とにかく数多くあわゆる種類があり、何故そうなのかというのは神秘的な理論と難解な過程に基づいています。しかしながら、賢い学生は単純に、視力の弱い者があごひげを剃るという仕事がいかに複雑かということを考えることでしょう」



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: The Interpreted Soul - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1153

訳:かみつき 2022年2月

ロアマスターズ・アーカイブ:エイドラ学概論

LOREMASTER’S ARCHIVE: INTRODUCTION TO AEDRIC STUDIES

08/15/2014


エリンヒアのファラスタスが、新しい伝承の本とともに自身の専門知識を披露し、皆さんの質問に答えてくれます。

今回のロアマスターズ・アーカイブでは、エイドラとデイドラを取り上げ、主に前者に焦点を当てます。新しい伝承の本の紹介や、第2紀の著名な学者であるエリンヒルのファラスタスへのQ&Aもありますので、お楽しみに。

次回は、死と魂の運命について、クラシウス・ビリア大修道院長がお答えします。このテーマに関するご質問をお寄せください!



『エドラ研究への導き』

エリンヒルのファラスタスの講義概要


この一連の講義はムンダスにおけるエドラの顕現や影響力など、その本質と歴史に関して詳細に学ぶためのものであり、論争の的になっているいくつかの話題についても、近年主流になっている説を概略的に取り上げる。各講義の前に必須文献を読みこなしておけば、エドラへの認識が深まり、歴史調査から理論上のプラナー操作まで、様々な学問領域をさらに深く研究するための礎となるだろう。

それぞれが持つ文化的かつ個人的な先入観は捨てた方がいい。エドラはニルンを見下ろしいじくり回す強き「正しき」創造主であるというひどい誤解から、エドラとデイドラはムンダスを越えた永遠の戦いに縛りつけられているという推論まで、これまでの俗説は崩壊するだろう。本講義における過去の探求は、独善的な一部の学生を怒らせることもあったが(特に八大神などの神々に関する講義は)、これらの話題に関しては司祭ではなく研究者として取り組むことを強く推奨する。

エドラを創造神話以上に理解し、神々の因習について修得すれば、研究者として一回り大きく成長できる。本講義が要求する学びの姿勢とは、正しい方法論で学問的探求を続けていくことだ。すなわち、本講では珍重かつ希少な文献を使用し、精緻かつ象徴的なデザインの意味を紐解き、各主題に批判的な見地を加えていく。


講義の主題は以下の5つ:

講義1:創世神話の考察

講義2:アヌとパドメイの交流

講義3:エドラ対デイドラ

講義4:エドラのエネルギーと影響力

講義5:単なる「神々」を超えて


講義を完全に理解するには、講義前後の自主的な読書と、忍耐強くノートをとることが重要になる。自習用の参考文献は、校内に立派な蔵書庫があるのでそこで探せばよろしい。講義の準備を直前になって焦って始めることがないように。古代の希少文献は、こちらでは数冊分しか用意できない。

講義を聞くと、当然の流れとしてさらなる学習題材の探求に意欲をそそられるだろう。エドラの存在や創世への関与について新たな知識を得て、八大神との関係をさらに深く理解し、現在進行中の議論に触れることで、補助的な学習にも興味がわくはずだ。そのような場合は、ヘッチフェルド修道士、ミカエル・カルクソル修道士、シマーリーンのアイカンターの著作を推奨する(その他の文献は講義中に紹介する)。教材は慎重に選択してほしい。タネスのシンナバーの著作のような、偏見と調査不足が目立つ文献は避けるように。常に批判的な姿勢を忘れず、どんな学者の言葉であれ、それが絶対的な真理だと鵜呑みにしてはいけない。



エリンヒルのファラスタスがあなたの質問に答えます:
Phrastus of Elinhir answers your questions:


「私はアルトメリの宗教的世界観に 強い関心を持っています 。アルトメリのパンテオンの中で、アヌイ・エル(※Anui-El) がどのような役割を果たしているのか、ご意見を伺えればと思います。アーリエル(※Auri-El )聖堂の従者によると、アヌイ・エルは万物のアヌの魂であり、アーリエルの「魂の父」であるとのことです。彼女によると、この聖堂はアーリエルではなくアヌイ・エルに敬意を表して建てられたもので、多くの神殿のうちの1つだそうです。それから、アルトマーは「アヌイ・エルの意志」の代弁者たらんとしているとも読んだことがあります。それなら、アヌイ・エルとは、アーリエルよりも上位に位置する、上級王のようなものなのでしょうか。それともアルトメリの宗教の中では、役割が混同されているのですか? このような認識は、エルフの影響を受けているブレトンの信仰にも通じるのでしょうか?」──Aythan Uthywyr より


エリンヒルのファラスタスの回答
「秩序の本質であるアヌイ・エルを擬人化するのは、混沌の本質であるシシスを擬人化するのと同様の重大な誤りだ。それよりも、アービスに広がる宇宙の原理と考える方が有用だろう。アヌイ・エルがすべてのエイドラにある秩序的側面の本質で限り、すべてのエルフの聖堂はアヌイ・エルに捧げられていると言ってもいい。ハイエルフが「アヌイ・エルの代弁者たらんとしている」というのは、単に「他人が従うべき新しいルールを作りたい」と飾ったエルフの言葉で遠回しに言っているに過ぎないのだ」


「下級のエイドラの霊魂というものは存在しますか? 召喚したり接触したりすることはできるでしょうか? ちょうど下級のデイドラを召喚するのとは反対に。それと、もしエイドラが既に全員死んでしまっているか、それかニルンの創造に参加したために現在はなんらかの障害があるとしたら、誰かがエセリウスからその霊魂を召喚することは可能でしょうか。ひょっとしたらマグナ・ゲとか?」──Fimmp より


エリンヒルのファラスタスの回答
「下級のエイドラの霊魂は確かに存在するが、マグナスが創造の瞬間に退去して以来、ムンダスへ立ち入ることはなくなっているため、遭遇することはほとんどない。少なくとも私の知る限りそのような霊魂の接触に成功した例はない。これはおそらく、エイドラ的な存在を定命の者が認識できないためだろう」


「ムンダスが創られた時、エイドラは大量のパワーを犠牲にして自らが創造した次元を強固にし、その代償として彼らが今では元の自分たちの殻のようになっていることは知られています。しかしながら、私が疑問に思うのは、彼らの力の喪失は永続的なものなのか、それとも時間をかけてゆっくり力を取り戻しているのかということです」──Captain_P より


エリンヒルのファラスタスの回答
「その犠牲によって作られた次元の中に我々が存在している以上、それは考えられない。エイドラの復元とはつまり、ムンダスの減少または弱体化を意味するように思われる。そのような減少は検出されていない」



参考文献:
Further Reading:


『デイドラ崇拝:チャイマー』

エリンヒルのファラスタス 著


かつてチャイマーとして知られたエルフによるデイドラ崇拝の歴史は、オブリビオンの主と呼ばれる者達と関わることの危険性について教えてくれる貴重な実例である。レディ・シンナバーなど、近代のデイドラ崇拝擁護者が注意を払うべき話だ。

タネスの気性が荒い女でさえ否定できない事実から話し始めよう。エドラ(神々)はオブリビオンの混乱の中からニルンを作り出した。定命者の次元であるムンダスにおける肉体となり、エルフの伝説によると、アルドマーの直接の祖先であった。エドラは深遠の暁紀のエルフにとって聖なる敬意を払う自然な対象であり、初めての組織的な宗教はこれらの神々を崇拝した。

しかしニルンの誕生後、エドラは自分達の生物から手を引き、距離を置き、冷淡になり、定命の者に興味を示さなくなった。ただしムンダスの外にある無限なる様々なオブリビオンでは、別に(「エドラではない」という意味の)デイドラと呼ばれる偉大な力を持った神のような者達が存在し、エドラが作成した領域に悪い意図を持って興味を示し始めていた。これらの存在の中でも特に強力な者達はデイドラ公と呼ばれ、各自のオブリビオンの次元を支配しており、それでもエドラの創造の能力を受け継いだニルンの定命の者に対して嫉妬していた。デイドラは変化と変形の達人ではあるものの、存在しないものを新たに作り出すことはできず、その能力はそんなデイドラを超えるものだったのだ。

しかし、デイドラ公がニルンの定命の者と同じように持っていた性質がある。あらゆる種類の力を求める強い欲望である。この有害な欲望は、定命の者によるすべてのデイドラ崇拝の基盤である。奉公と崇拝と引き換えに、デイドラ公は力を提供する。たいていの場合、この力は知識という形で提供される。最も魅惑的であり最も危険度が低そうなデイドラの誘惑だ。

この誘惑がどれほど魅惑的かを説明するために、サマーセットの昔のアルドマーを見てみよう。横暴な彼らは自分達がエドラの直系の子孫だと考えていたが、実はデイドラ崇拝を支持した初めての大規模な宗派は、他でもないサマーセットの中心で生まれた。そして、水晶の塔の虹色の陰の中で、預言者ヴェロシと呼ばれる者がデイドラ公ボエシアと連絡を取り、贈り物を受け取ることに合意した。彼は、ヴェロシの預言に「善のデイドラ」(ボエシア、アズラ、メファーラ)崇拝の教えについて詳しい説明を記し、さらに「悪のデイドラ」(モラグ・バル、マラキャス、シェオゴラス、メエルーンズ・デイゴン)の機嫌を取って交渉する方法についても記した。

サマーセットの愚かなアルドマーにとって、善のデイドラが教えてくれる芸術と技術は、エドラの司祭が言う格言や決まり文句よりも役立つように思われた。多数のエルフのクランがヴェロスを預言者や助言者として受け入れた。アリノールのサピアルチが当然ながらこの分派を禁じると、ヴェロスは彼に忠実なエルフのクランを連れて諸島を離れ、海を越えたタムリエルの反対側へ渡り、現在モロウウィンドとして知られる土地に住み着いた。チャイマーとして知られるようになる聖ヴェロスの信徒は、デイドラからの実在しない「贈り物」のためなら、黄金色に輝くサマーセットの天国を諦めて、灰色のモロウウィンドの苦境を受け入れた。チャイマーは、ボエシア、アズラ、メファーラを祭る素晴らしい聖堂を建て、モロウウィンドで崇拝の慣習を築き上げ、それは後にトリビュナルが取り入れることになった。

歴史を学び始めたばかりの学生でも知ってるように、こうしたデイドラとの大規模な火遊びは、必然的に戦争と大惨事につながった。チャイマーの文明はレッドマウンテンの戦いで滅び、かつての女主人であったアズラの呪いによって、優れたチャイマーは不機嫌で脅えたダンマーへと変身させられた。それ以降、モロウウィンドはトリビュナルの下でデイドラ崇拝をやめたが、もう被害は出た後だった。

現在、デイドラはタムリエル全土で恐れられ、忌み嫌われている。当然のことだ。しかし、歴史の教訓があるにも関わらず、誤り導かれた者達が、いまだにデイドラの主と関わっても問題ない、受け入れてもいいのだとさえ主張している。レディ・シンナバーのようなそういう者達に言いたい。「デイドラと手を結んで良い結果が出たことなどあっただろうか?」と。



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Introduction to Aedric Studies - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1131

訳:かみつき 2021年10月

ロアマスターズ・アーカイブ:ザキンの多くの英雄

LOREMASTER’S ARCHIVE: ZAKHIN’S MANY HEROES

08/01/2014


ベールをとったアザディエ、レッドガードの歴史家にして文化学者が新しい本を共有します。

今日、私たちはハンマーフェルのレッドガードにまつわる研究のアーカイブにたどり着きました。ベールをとったアザディエはクラウン派のレッドガードたちの中で名の知れた歴史家にして学者で、ヨクダのルーツを固く守る伝統主義の権威として知られています。彼女はあなたの質問に答え、2冊の伝承の本を紹介してくれます。

次回のために、エイドラとデイドラの正体についての質問を……まで送ってください。エリンヒルのファラスタスが答えてくれるかも知れません!



『ザキンの多くの英雄』

ベールをとったアザディエ 著

ZAKHIN’S MANY HEROES
By The Unveiled Azadiyeh


月耀、若きザキンは修練を終え、灼熱の砂を越えて家路を急いだ。伝説の明るい炎が彼のその足取りを動かしていた。そして家に帰るとこう言った。「ママ、僕は大きくなったら、砂丘動かせしハフセタのようになるんだ。どんなに苦労しても、友達の誰よりも強くなるまで練習するんだ! そうすれば、大きな栄光が我が家に訪れて、誰もが僕の名前を知るようになるんだよ」彼の母は、息子が強さと忍耐を理解し始めたことを知り、微笑んだ。

翌週の火耀、ドアが開く前から、ザキンの楽しそうな声が母の耳に届いていた。「ママ!  ママ! 僕が大きくなったら、不屈のメミイレのようになりたいんだ。友達を助けるために、たった一人で軍隊と戦うんだ。もし誰かが僕の名前を、サメクが僕を砂のパンツって呼んだ時みたいに呼んだって、仲間を敵の好きなようにさせたりしないんだ」彼女は再び微笑み、忠誠と赦しの物語が彼の心に宿ったことを誇りに思った。

そしてまた月耀、ザキンは再び家に戻るなり叫んだ。「ママ、僕はこれから誰になると思う? 九つの黄金の塔のラジマハルみたいに、銀の蹄を持つ黒い馬に乗って、盗賊の領主を洞窟から追い出し、その戦利品で貧しい人々のための家を建てるんだ!」この名誉と慈愛に満ちた言葉を聞いた彼女はとても喜び、その夜、彼には二つだけ多くイチジクが与えられた。

続く木耀、ザキンは新たな発想を得て家に戻った。「僕はフランダー・フンディングのようになるんだ! 僕の剣を歌わせて、強大な軍隊を率いるんだ。どんな敵にも負けない、あらゆる可能性を考えて戦略を立てるんだ」彼女は誇らしさに顔を綻ばせた。母親なら誰でも、息子が人々の先頭に立ちし、慎重に考えてくれることを祈るものだからだ。

金耀、若きザキンが目を輝かせて修練から帰ってきた。彼は叫んだり、新しい英雄を宣言したりはしなかったが、暑さの中から入ってきて、お気に入りのクッションに無言で座り、ずっと母親を見ていた。「それで」彼女は尋ねた。「今日は誰になるの?」彼女がほとんど言い終えないうちに、彼は飛びついて答えた。「僕は新しい英雄になる。そしてみんなが修練のとき小さな子供たちに僕のした事を伝えるんだ!」

この時こそ、彼女は涙を流した。



ベールをとったアザディエがあなたの質問に答えます:
THE UNVEILED AZADIYEH ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「『グリンティング・タロンズ』を読んでいたのですが、ターヴァはヨクダ版のキナレスであることが知られているのに、光や太陽についての言及が多いのが、場違いに感じられました。メリディアとカイネの関係の可能性について言及した議論を思い出しました。アイレイドにおけるメリディアの位置と、彼らが文化的にそれを鳥や羽と同一視していることから、『グリンティング・タロンズ』という本は意図的にこれらの神々の類似性を描き、その結果、ターヴァがいわばミッシングリンクになっているのではないかと思ったのです」── Phil W.より


ベールをとったアザディエの回答
「Philよ、血と闇で心の曇ったタムリエル人の、混乱した誤解に惑わされてはならない。ターヴァは空気の精であり、天候の女神として、太陽と嵐のすべての要素を支配しています。カイネとキナレスは彼女の影であり、シロディールの塵やスカイリムの雪を通してぼんやりと見えるイメージである。もちろん、ネードの民(※Nedelings)とノルドの民(※Nordlings)が神々を崇拝することは、たとえ彼らの理解が間違っていても賞賛に値するものです。サタカルが我々を捕らえに来る前に、彼らが真の道に到達することを願うばかりです」

「“メリディア "については、悪魔の名と神の名を混同してはならない。彼女はムンダスの彼方からの侵入者であり、我々の世界の一部ではない。行きなさい、おおフィルよ、自分の過ちを反省し、誤りの道を歩まぬように」


「何かで読んだのですが、マオマーの支配者であるオルグナム王は”サタカルの蛇神”と言われています。これはヨクダの神話や歴史にとってどのような意味を持つのでしょうか? マオマーが蛇に取り憑かれているのは知られているし、レッドガードもそうです。もしかして、レフトハンド・エルフとマオマーの間にはつながりがあるのではないですか?」── MareloRyanより


ベールをとったアザディエの回答
「Marelo at-Ryan、あなたの言うとおりかもしれません。あなたの言葉には知恵の香りが漂っているが、それが完全なる真実であるかどうか、私には確かなことは言えません。レフトハンドエルフについては、私は語る言葉を持たない(彼らに八つの深淵に呪いがあらんことを)。彼らの忌まわしい行為を思い出すことは、私たちの日々を暗くするだけです──それに、いったい誰が、私たち一人一人がトゥワッカのもとへ召される前に持つものを少なすぎるなどと言えるでしょうか?」

「マオマー については、シニストラル・マーとの関係がどうであれ、彼らがストロス・ムカイの北側に来ることはない。恐るべき海の戦士たちが、ハンマーフェルの海岸には近づかないように教えたからです。いわゆる「不死の君主」であるオルグナムは、真のサタカルが到来すれば(それは今日からずっと先のことかも知れませんが、けして避けられない)、自分がそれほど不死ではないことに気づくことでしょう」


「アッシュ・アバのような孤立したレッドガードのコミュニティは他にもありますか? また、もうひとつ質問があるのですが、アリクルの遊牧民の正式名称は何というのでしょうか? 彼らはただAlik'rと呼ばれているのですか?」 ── WaywardSwordsmanより


ベールをとったアザディエの回答
「アッシュ・アバは汚れた部族でありながら、トゥワッカに祝福された機能を果たしており、ハンマーフェル南部にも兄弟部族がいる。寒き北方にはレッドガードの道を外れた部族があり、馬の民(※the Horsemen)とだけ呼ばれているという話を聞いたことがあるが、これは単なる伝説かもしれない。もちろん、Numanehの追放された太陽を喰らう者たちもいるが、彼らの話をすることは禁じられています」



『目を覚ますよう願う』

ベールをとったアザディエ 著

長身のパパはその指で散在する星に軽く触れ、その影は視界内外の地平線を超えてどこまでも伸び、その権威は前の世界と次の世界の霊魂を支配する。そんな彼でも子供達には慈悲深い。我が兄弟と姉妹が蛇のとぐろで締めつけられているのを見ると、私の心は痛みます。彼らは聖なる教えから目を背け、当然感じるべき羞恥心に唾を吐きかけ、錆びた剣を我々の伝統の心臓に突き刺すのです。彼らは皇帝達のぜいたくな暮らしに目がくらみ、誘惑されてきた。だから私は古き習わしを破った罪をここに暴露する。ラプトガよ…彼らがしっかり目を開き、この罪のおぞましき様相を認識し、そして悔い改めることを祈ります。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「先人を敬え。先人の言動をおろそかにする者は、自分の剣を折りそれを燃える風の中に投げ込むようなものだ」。しかしセンチネルで、ヨクダ語の歌が宮殿の広間に響くことはありません。異国の英雄達の物語が、耳障りな言葉で語られるだけです。我らが先人の父の言葉は甘い水を切に求めるが、彼らの伝説は崩れて埃と化すでしょう。我々が世話を怠れば、新たな終わりの時が、前回よりもっとひどい形で再び訪れるでしょう。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「”戦士の波”を邪魔する恥知らずに慈悲など必要ない」。しかし我が兄弟と姉妹は従順にも追放者達を同胞として受け入れ、我々の名誉を泥まみれの足で踏みにじり、我々の歴史を常に汚しています。そのようなことが許されているのを見て、私のような忠実な鳴き鳥の心は傷つく。ターヴァの目には血の涙がにじみ、ダイアグナの剣を持つ腕が裏切りの深紅で燃え上がるのは言うまでもありません!

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「従うべきはヨクダの神々のみだ。血の通わない肩によりそい、自分の力の弱さに唾棄する者から、碧落の岸は遠ざかっていく」。しかし緑の地の優しき王は我々の子供達に命じるのです。彼は白金を見つけるために、子供達を死へと送り込む。彼は子供達のたくましき背中に乗って上へと登る。彼の神の指が私達の心臓を突き刺し、モルワは頭を振る。

兄弟姉妹よ、これを読みなさい。あなた達は体の左側に仕事を与え、灼熱の太陽に目を閉じた。今や沈んでしまったヨクダの記憶が薄れるにつれて、あなた達の名誉には暗い影がさすでしょう。だがすべてが失われたわけではない。剣を持ちなさい。先人達のやり方で鍛えられ、正義の炎で精製され、真の名誉で鋭く研がれた剣を。道を誤った「新たな動き」を捨て去り、家族のもとへ帰るのです。彼らはあなたの過ちを許してくれるでしょう。だが、早く帰らなければ手遅れになります。



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Zakhin’s Many Heroes - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1103

訳:かみつき 2021年5月

ロアマスターズ・アーカイブ:ファッションを見定める商人の目

LOREMASTER’S ARCHIVE: A TRADER’S EYE FOR FASHION

07/21/2014


フィリラニヤ夫人が、華麗な衣装の裏に隠された秘密と業界人ならではのヒントを教えます。

皆さんは彼女のことを旅慣れた仕立師のクラフト助手として知っているかもしれません。フィリラニヤ夫人はオーリドンからヴァーデンフェルまで、貿易の風に乗り高品質の素材と彼女の興味深い話を提供してくれます。今回の記事では、彼女の2つの作品──公的なものと私的なもの──を読んで、より多くのことを知ることができます。

次回のロアマスターズ・アーカイブでは、サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエの著作をお届けします。アリクル砂漠とハンマーフェルの文化と歴史についての質問は……までお送りください。



『ファッションを見定める商人の目』
フィリラニヤ夫人 著

A TRADER’S EYE FOR FASHION
By Madam Firilanya


タムリエルの各地を旅しておりますと、特に私のような評判の高い商人の場合、知りたいと思う以上のことを学ぶことになります。どの地方にも──さらにはどの都市にも──それぞれの好みや様式、そして暗黙のルールがあります。賢明にもこの本を選び、購入してくださったあなたなら、ファッションが暇を持て余した金持ちの単なる気晴らしでないことを既にご存知でしょう。どの色合い、どの様式が何を意味しているのか。そして誰がそれを着るのかを理解することは、その土地に溶け込み、より良い取引を得ること、さらには命を救うことにさえつながるのです。

まず初めに、当前のことではありますが、私がこの記事を書いている戦乱の時代にシロディールを旅されている方は、どうか身に着けるものにお気をつけを! 戦争をしている各同盟の色を身に着けるのは、目的地の状況がはっきりしている場合のみにしましょう。街や砦の持ち主は頻繁に変わるものです。というのも、以前私はアレッシア城からセヤヌス前哨基地にドリーム・マデイラの高級な樽を運んでいたことがあります。そこにいるはずのドミニオンの部隊が上質な飲み物に感謝すること(そして気前よく支払ってくれること)を知っていたのです。しかし私が到着した時、彼らはパクトによって追い出された後でした。既に前哨基地は見えていたので、私の鮮やかな黄色のタバードが見つかってしまっていることはわかっていました。ですから私は、パクトの兵士の一団が近づいてきても逃げようとはしませんでした。幸運なことに、襲撃の先頭に立っていた騒々しいノルドたちは既にお祭りムードで、私が運んでいたワインは没収したものの、命までは取らず帰してくれました。

もちろん、その人の服装によって相手の人柄について少なからず多くの事を語ることはできます。その上で、将来の顧客となる人物についてさらに詳しく、より良く知るためには、注意を払って観察してみることです。そうすれば、人々が何を求めているのかを知ることができるでしょう。釣りの達人はピンクに近い紫を好むことをご存知? これは魚がその色を見ることができないからだそうです。この色は哀れなおいしい生き物から、釣り人をほとんど透明にするのです。名のある錬金術師は汚れから布を守るため、ニルンルートから作られると思しき秘密の調合物で染めた暗い灰色の衣装を身につけ、高位の魔術師ギルドのメンバーは、間違えようのない薄暗いブルーを身にまといます。あなたが誰と取引しているのかを知っていれば、何を売れば良いのかがわかるのです!

もうひとつのコツは、今まで見たことのない色やスタイルに目を向けることです。見るたび色を変える虹色のような大胆な色を身につけている人や、飾りたてた鎧やドレスを着ている人を見つけたら、話しかける口実を作ってごらんなさい。目を引く人は誰でも少なからず素晴らしい話を持っているものですから、飲み物をおごったり、希少な商品で誘ったりするといいでしょう。私は以前、頭の先からつま先まで見たこともないような光沢のあるブロンズで固めた、危険な見た目のカジートに会ったことがあります。友好的な会話と熟成されたスイートミルクを数杯楽しんだ後、彼は、持ち出せないほどのドワーフの遺物が詰まった危険な遺跡の場所を教えてくれました。正しい人脈を持てば、多くの利益に繋がるのです。

というわけで、ファッションがいかに重要なものかお分かりいただけたでしょう。旅先ではその土地の習慣や服装に気を配り、誰が何を着ているかを学び、そして利益を得ましょう! ここでのアドバイス以外にも学ぶべきことはたくさんありますが、まずは良いスタートが切れたことと思います。目を見開いて、適切なものを身につけ、大胆なものを探せば、きっとあなたに利益をもたらしてくれるでしょう!



警告:以下の伝承の本には、フィリラニヤ夫人の助手メールの内容のネタバレが含まれています。


『フィリラニヤの夢の日記』

DREAM JOURNAL OF FIRILANYA


栽培の月 3日
これを書き留めておかないと。でないと気が狂ってしまいそうだ。どこかに書き出してしまわなければ。あのテルヴァンニの薬は夢を静めてくれるはずが、舌を青くしたり、しゃっくりを出させたりするだけだった。ロスガーへの長い旅に出る私の背中を見て、彼らが笑っているのを感じられる。あの信用に値しない魔術師たちとの取引をやめるよう、ロウ・ネックに言いつけるのを忘れないようにしないと。

昨夜、歌は赤かった。端々は色褪せ、乾いて、剥がれ落ちている。彼らはあの広間で私を追いかけ、大きくなり続けていた。偉大な英雄たちが彼らと戦い、血の海に倒れ、病的な和音を鳴り響かせた。開かれた眼。Kor-Durの恐怖 。燃え立つ石の子。彼らが追いついた時にどんなことをするのか、私にそれを告げるために数え切れないほどの金切り声が言葉を作っていたのを思い出すと、胃が痛くなる。私は汗と涙で目を覚ました。いつものように。


真央の月 16日
それが終わったと思った矢先、別の夢になった。ロスガーへの道から逸れかけていたところだったし、彼らを止められるかもしれない唯一の手掛かりなので、これはひねくれた幸運だと思うことにした。

すべてが緑だった。ゆらゆらと揺れる帯のような緑が、スカイリムの夜空に広がっていた。ただそこに星はなく、空も地面もなかった。星が巨大な砂時計の中の砂粒のように私の頭に向かって降りてきた。12個の石が私の体を囲んで浮遊し、エセリアルの霧の中、四方八方から突進し襲いかかる敵と衝突する。骨を砕く音がリズムとなり、星の音が刻々と大きくなっていく。それが私の頭蓋骨に達したらどうなるのだろう? それを知らずに済んで私はほっとした。キャラバンのノルドの商人の一人が、私の泣き声を聞いて起こしてくれたのだ。


南中の月 1日
私の元雇い主はどうしているだろう、と思案する。ロウ・ネックが配達を続けているといいが。私は具合が悪くて旅に出られないし、疲れすぎている。昨日の夜はいつもよりひどかった。旅に戻らなくてはいけないのに。

その闇は呼吸していた。研がれた歯の隙間から吐息の音を溢れさせて。


南中の月 8日
紫。想像を絶する苦痛を語る言葉の海。虚空の中で救いを求めて泣き叫ぶ罪なき者たち。その肉にはデイドラの言葉でかけられた呪いの言葉が残り癒えることはない。再び英雄たち。リーダーが倒れ、最後の希望のかけらを失った。機械たちは地の下に錆びつき──彼らさえも崩壊から逃れられない。守るものはない。増殖する無の世界に抵抗する虫の殻もない。死者は4人と、4人と、4人。そして3人。横糸と縦糸を這いずる学者たちだけが生きて残された。虚無が迫ってくる。



※開かれた眼、Kor-Durの恐怖 、燃え立つ石の子
モラグ・バルの臣下であるデイドラたちのことか。監視者のYggmanei、Kora-Durの恐怖という異名を持つデイドロスのメン・タナ、モラグ・バルの息子であるタイタンのオゾサッチャーはそれぞれ、ダークアンカーのボスとして登場します。

――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: A Trader’s Eye for Fashion - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1079

訳:かみつき 2021年5月

2023年4月25日火曜日

ロアマスターズ・アーカイブ:言葉と力

LOREMASTER’S ARCHIVE: WORDS AND POWER

07/03/2014


発明家のテレンジャーが、付呪についての一風変わった理論を披露し、あなたの質問に答えます。

アーカイブから、また新たな一冊を取り出す時が来ました! 今回は発明家のテレンジャーが、彼の最新の理論を紹介したいそうです。きっと言葉の力について考えさせられることでしょう。また彼は、付呪がどのように彼の理論と結びついているのかを説明し、皆さんからの質問にも答えてくれます。

来週は、ひょっとしたら皆さんご存知の、フィリラニヤ夫人が登場します。仕立屋という職業や染料、あるいはElder Scrollsの伝承に関する話題についての質問は、……までお寄せください。



『言葉と力』

発明家テレンジャー 著


タムリエルの言語には、ただの便利な意思疎通の道具以上の役割があるのではないだろうか?私は様々な研究を通して、言語と魔法の繋がりを明示する例を無視できない頻度で発見してきた。特に今行っているルーンストーンの調査がそうだ。考えを言葉に流し込む行為そのものが、発動を意味するのではないだろうか?確かに過激すぎる考えだが、この考えを支持する証拠を提示したいと思う。水晶の塔のサピアルチが、この考えの是非を証明してくれることを心から願う。

まずは付呪のルーンストーンから始めよう。どの石にも文字の組み合わせから成る印が刻まれている。ルーン1文字だけでは効果がない。だが他の文字と組み合わせて適切に配置すると魔力を発揮する。完全な状態、つまり表現が完成すれば魔法が発動する。その言語を完全に理解していなくても、力を解放できる。十分な数の文字が存在していないし、はっきりとした発音もわかっていない、だがグリフを研究してルーンストーンを組み合わせることで、活用するために意図を理解することはできる。言語そのものが根底で魔法と繋がっているのは間違いないが、起源についてはまだわかっていない。

将来有望な付呪の学生たちには説明するまでもないが、解読不能なルーンに出会っても落ち込む必要はない。学んできた文字と文章を何度も復唱し、グリフからルーンを抽出することでようやく、さらに難しいルーンを解読するための知識を得ることができる。辛抱強く他の学生と一緒に研究し、グリフの作成と解体を行えば、いずれ相互作用と本当の意味を理解できるようになる。

特に文字がそうだが、言語はアルトマーにとっても非常に重要なものだ。我々の歴史を保管できるだけでなく、文字があるからこそ、未来を約束された我々の実態を捉えて定義し、全てのエルフに自分の立場を確認させることもできる。アルトマーの社会がタムリエルで最も整然としていて、系統立っているのは偶然ではない。それはザルクセスの意志なのだ。聖なる文字を扱う学者司祭は謎に包まれた存在だが、大昔に失われてしまった言葉を保管していると言われている。ヘラアメリルの「原形を繋ぎ止める者との会話」では、作者不明の文章の中で、巻物を利用することで味、匂い、踊る姿の幻影を作り出し、さらに例え読み書きができなくても、凝視するだけで読めるようになる文章を生み出せることが示唆されている。ヘラアメリルを信じるとするなら、これも文字による魔法の1つである。

日常に目を向けてみよう。戦争を始める際に偉大な将軍が演説を行えば、士気が上がり兵士は素晴らしい働きをする。熟練の吟遊詩人が歌えば感情が刺激される。子供にとって母親の声は癒やしの効果がある。会話や文字を通して意志を伝える日常生活の中に、魔法の断片のようなものが見えてこないだろうか?確かに消滅しつつあるかもしれないが、それは黎明期以前の力の名残かもしれない。細かい話はここでは省くが、タムリエルの歴史を紐解いていけば、この考察を支持する証拠はもっと見つかる。同僚たちとこの仮説について論じるのが楽しみだ。



発明家のテレンジャーがあなたの質問に答えます:
TELENGER THE ARTIFICER ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「私はずっと、付呪、とりわけ魂石に魅了されてきました。魂石の中の魂を、付呪や呪文に力を与える以外の方法で利用することは可能でしょうか? 魂を取り出して、それを石の外で操作することはできないのでしょうか? モラグ・バルがこの魂の魔法の力を使うことを意図しているのは確かです──それなら我々も同じことができるはずではないですか?」── Araeynir Fireheartより


発明家テレンジャーの回答
「昨今、タムリエル全土では、魂縛や魂の操作に関する研究が盛んに行われているが、一人のアルトマーとして、そのような実験を善意に背いて容認することはできない。サマーセットではこのような魔法は最も暗き死霊術として正しく禁止されるだろう。その心の火を他の明るい追求に向けることを助言しよう」


「私はしがないブレトンの魔闘士で、つい最近になって付呪の技術を学び始めた者です。助手の助けも借りているのに、ルーンの研究が遅々として進みません。私は品質ルーンがよく不足していることに気づきました。それとは裏腹に、本質ルーンは持ちきれないほどあります。効力ルーンもいくつか持っていますが、私のレベルではとても理解できません。この技術をより早く習得するためのお勧めの方法はありますでしょうか?」── Marola Eponineより


発明家テレンジャーの回答
「ああ、若きブレトンよ......時に才能を示すが、往々にして性急だ! 私からの助言としては、同じ関心を持つ同志を探し、相互支援のためのコミュニティ、つまり付呪師ギルドのようなものを作るのを勧めよう。そうすれば、異なるアプローチを同時に追求することができ、結果として得られる知識を、全員が恩恵として得ることができる。また、自分たちの間でルーンを交換しあうこともできるだろう」


「『ルーンストーンの謎』に関するあなたの著作を非常に興味深く読ませていただきました。これは、この魅力的なテーマに関するこれまでで最も包括的な説明です。私は、ルーンストーンに関連付けられた言葉についてもっと知りたいと思っています。それはいかなる言語なのでしょうか? ルーンストーンがアイレイドの魔術師の実験の結果であるというNolin the Many-Huedの説は知っています。しかしながら、アイレイドの言葉で「火」は 「モラグ 」ですが、「火」に関連付けられた本質ルーンは 「ラケイパ」です。また、ルーンストーンの起源について、あなたの個人的な意見をお聞かせください」── Salagar Feynn, Evermore Mages Guildより


発明家テレンジャーの回答
「魅力的な問いだ。私自身もその研究に時間を費やしている。ルーンの研究によると、ルーンは循環的な記号で構成されており、それぞれの記号は動詞の音節として表現されている。例えば、「ジョラ」という初歩ルーン(※trifling rune)は「発展」と翻訳することができる。これは二本の直角に交わった線の組み合わせであり、それぞれ「ジョ」と「ラ」を意味している。これに「ジェ」を加えると「ジェジョラ」となり、「上昇」という意味の未完ルーン(※slight rune)になる」

「このように、ルーンの名前は限られた範囲内ではあるが法則性があり、かつ一貫した言語を形成していることが明らかだ。「どのような言語なのか」という質問だが、そこが我々の答えを使い果たしてしまうところだ。このルーンの言語は、歴史的に知られていないか、深遠の暁紀よりも前の文化にも由来しているようだ。個人的な推測では、深遠の暁紀に、タムリエルに広がったルーンストーン以外には痕跡を残していない付呪師の誰かか、付呪師の集団が、一から発明した言語ではないかと考えている」



参考文献:

FURTHER READING:


『ルーンストーンの謎』

発明家テレンジャー 著

タムリエルの至るところで発見される神秘的なルーンストーンの起こりは、曖昧であり不明確だ。水晶の塔の賢者の間では、その本質や物質構成でさえ熱い議論の的となっている。神話史のサピアルチである尊者アンシリンクは、トリナーンの日記のとある難解な一節が、先駆の船乗りが古アルドメリスから到着した時、既にルーンストーンがここに存在したことを示しているという持論を展開している。しかしながら、付呪のサピアルチである「多彩なノリン」は、その起源は神話紀初期にさかのぼるとし、アイレイドの魔術師が実験に失敗したことで生じた予想外の産物だと強く主張している。

起源の真実がどうであれ、サマーセット諸島の魔法の優れた偉人たちによる長年の研究で、ルーンストーンの持つ様々な特性はほぼすべて特定され、武器、鎧、装飾品の付呪における使用についても解明された。大まかには3つに分類され、後の魔術師は、効力、品質、本質と呼んでいる。

付呪の目的では、これら3つの種類のルーンストーンは超自然的に補完するものとして理解される。付呪者は、それぞれの種類のルーンストーンを1つずつ組み合わせることによってのみ「グリフ」を作り出せる。「グリフ」とは、アイテムに魔力を与えるときに使う魔法の物質を示す専門用語である。

しかし、たとえ我々が魔法のアイテムの作り方を知っていようが、謎は残っている。ルーンストーンとは何か?我々は3つの基本的な区分を、効力、品質、本質と名付けた。だが、どういう意味なのか?名付け親である偉大な道化師ファリーズですら、意味を尋ねられた時に肩をすくめ、こう答えるしかなかった。「その名前がしっくりきたから」

3種類のルーンストーンがあるという事実ですら議論を巻き起こしている。二元性がアービスの基礎であると仮定するアヌ・パドゥの法則に矛盾しているように思われるからだ。リランドリルのカミロンウィは、ルーンストーンがたった3種類のはずがないと主張した。そして4つ目を見つけるために人生最後の200年間を捧げた。しかるべき分類は、そのように双数のペアになるという確固たる信念があったのだ。彼は、自ら迅速と呼んでいたこの「第4のルーンストーン」を見つけることはなかった。だが最後まで自身の理論は筋が通っていると言い続けた。

カミロンウィは正しかったのだろうか?通常の定命の者が認識できないある種の現実の中でのみ迅速のルーンストーンは存在するのか?それが、目下の答えられない問いだ。



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Words and Power - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1053

訳:かみつき 2021年5月

ロアマスターズ・アーカイブ:不可解なパトロン

LOREMASTER’S ARCHIVE: INEXPLICABLE PATRON

06/20/2014


古の魔術の達人であるディヴァイス・ファーが、メファーラの性質について語ります。

タムリエルの歴史を通して見ても、ディヴァイス・ファーに匹敵するほどの魔法の才能、長命、知識を持っていると言える人物はほとんどいません。今回の記事で、彼はその洞察のごく一部を共有し、皆さんの質問に答えることを了承してくださいました。彼の時間は大変貴重ですので、さっそくその栄誉ある言葉をお届けしましょう。

次回は、発明家のテレンジャーがルーンストーンと付呪について教えてくれます。これらの質問やその他の伝承に関する質問をお寄せください。



※INEXPLICABLE PATRON: MEPHALAは、DLCサマーセットにて『謎の後援者:メファーラ』として収録されました。公式訳はそちらをご参照ください

『不可解なパトロン、メファーラ』
ディヴァイス・ファー 著

INEXPLICABLE PATRON: MEPHALA
By Divayth Fyr


自らをトリビュナルの「司祭」、「学者」と称する者たちとの最近の議論の結果、我らの祖先が「受容」したデイドラの性質についての甚だしい誤解に、私は(頻繁にあることではあるものの)恥ずべき点を見出したが、(未だかつてなかったように)驚きはしなかった。最近の司祭は、当たり障りのない朗読や、巡礼者から金貨を引き離すための方法しか訓練されていないようだ。これは伝統的な役割からの重大な逸脱であり、失望させられる。これを不敬であると言う者もいるだろう。そのような者は、討論──あるいは魔術の競い合いで、私に挑戦することを勧めよう、それを望むのならだが。私が俗世に関心を持つことはあまりない。それでも、誰かがこの蒙昧なる風潮と戦わなければならない。

すべてのダンマーが私自身と同等の理解に至れるとは期待していない。確かに、一般的なエルフは、我々の種族が日々生きていくため、ありふれた事柄に気を配ることを領分としている。とはいえ、怠惰はいかなる点においても嫌悪されるべきものであり、たとえ下層階級にあっても知的思考の停滞は許されない。よって、ここではまず最も誤解を招きやすい「善なるデイドラ」について、初歩的な考察を行なう。メファーラである。

「善なる」という言葉はいかなるデイドラの存在(Daedric being)にも相応しくないものであり、その言葉が軽々しく使われるようになったのは遺憾である。それぞれの領域の絶対的体現者であるデイドラの君主たちは、我々が持つような、いかなる道徳的基準も共有していない。デイドラとはそのようにあるものだ。メファーラ、ボエシア、アズラはダンマーに対して多くの影響をもたらしており、その意味では善良に見えるかもしれないが、彼らの動機や目標(そしてそれらが達成されたときにもたらされる影響)は我々には計り得ない。

メファーラが「紡ぎ手」と呼ばれるのには理由がある。だが、現代のダンマーはこの呼び名を無視し、代わりにヴィベクから連想される共感しやすい資質──暴力、狡猾さ、啓発的な詩といった芸術性──を、彼の「守護者」であるデイドラの存在に投影しているようだ。このような傾向は、メファーラの本質の多くを覆い隠すことになり、それこそがまさにこのデイドラの君主の望むところでもある。

メファーラは我々の祖先に、秘められた殺しの方法を教えた。それは敵に対して用いられるものであり、時には全面的な抗争を避けるために我々自身に対してさえ用いるものでもある。タムリエルを放浪し、ノルドやドゥエマーとしばしば衝突を伴う接触をもつようになった我々の先駆者にとっては、これは確かに「善なる」ことだった。我々は綿密な計画と嘘のつき方、敵をおびき寄せて罠にかける方法、複雑さを管理し結果を予測する方法を学んだ。しかし、このデイドラの君主がなぜ我々の民を擁護するのかを問う者は少ない。騙されやすい空想家は我々が優れた資質を持っているからこそ選ばれたと考え、皮肉を好む者は我々をデイドラの単なる娯楽だと言うが、そのどちらも嘆かわしいほどに短絡的な理論だ。

デイドラは創造することができないということを忘れてはならない。彼らができるのはただ、模倣、操作、誇張することだけなのだ。中には人間をただの遊び道具としかみなしていない存在もいるが、私はメファーラがそうであるとは考えていない。彼女が目的なく何かをすることはない。彼女はアービスのすべてを行動と結果の相互接続されたシステムとして認識し、結果に影響を与えるために新しい糸を紡ぐことに身を投じている。

その目的とは? それは読者自身が(私のように)考えるべきことだ。私が秘密のデイドラ君主の秘密を明かすほど、愚かだと思っているのか?



「『ヴィべクとメファーラ』には次のようにあります。「西で知られているように、メファーラは殺人と性と秘密の悪魔である。これらの主題にはどれも、微細な側面と激しい側面が含まれる(暗殺と虐殺、求愛と乱交、配慮と詩的な真実)。メファーラはこれらの相反する主題を逆説的に含み、統合すると考えられている」 このことが何故、彼/彼女を「善なる」(good)デイドラにするのですか? メファーラは、 せいぜい「よりマシな」(Better)デイドラというだけではないでしょうか」── Dylan Barnesより


ディヴァイスの回答
「この質問は、最も寛大な言葉を用いても短絡的と表現せざるを得ない。前述のエッセイを読むことだ」


「おはようございます。自分はエボンハート・パクトの軍団に所属する兵士です。Bruhn Crimson Furと自称するノルドがいるのですが、彼は非常に頭が悪く、災厄の四柱神の基本さえも理解できません。しかしこの質問をあなたに書いてほしいと頼むのです。ここに書きますが、事前に謝っておきます。“よお、ダークエルフ。数ヶ月前にドレモラと戦ったんだがよ、奴は自分の親玉のモラグ・ベアーを、リグ(Lyg)が滅んで以来のコールドハーバーの番人であるとか言ってたんだ。リグとかいうのはどうでもいい。それより、モラグ・ベアーは前はあんなに巨大な野郎じゃなくて、最初は下っ端のドレモラだったのかどうか、お前の手品野郎(magic-pagic guy)に聞いてみてくれよ”」── Teryn Redoranより


ディヴァイスの回答
「このユーモアの試みは粗末でぎこちない。しかしだからこそ、素晴らしい未来が待っていると予言しよう。コーナークラブのコメディアンとして、大衆の笑いを誘うのは間違いない」


「メファーラがつかさどる分野は定命の者には理解できないとよく耳にします。しかし、すべての証拠から、彼女がつかさどるのは蜘蛛であり、蜘蛛の巣のように定命の者の運命を操ること、つまり「策略」であると(かなりの確信を持って)結論づけることができます。しかしながら、この分野は、企みの神であるモラグ・バルが司るものでもあります。メファーラは 「善なるデイドラ」であり、モラグ・バルは 「悪なるデイドラ」であることを考えると、両者の間に何か対立関係があるのか気になります」── Sathronより


ディヴァイスの回答
「不十分な質問ではあるが、その尋ねるところには見るべき点がある。モラグ・バルの計略は、その規模こそ野心的だが、紡ぎ手のそれにあるような巧妙さとニュアンスをまったく欠いていると言えば十分だろう」


「さて、黒檀の刀剣と黒檀の鎧(Ebony mail)について考えていたのですが、これらはどちらもデイドラの君主のチャンピオンのためのアーティファクトですよね。しかしながら、黒檀はロルカーンの心臓の血が凝固したものであることが知られています。だとすると、一人ではなく二人のデイドラの君主が、黒檀で作られた特別なアーティファクトを持っているのはどういうわけでしょう? ボエシアとメファーラはロルカーンを騙して『自分たちも創造のために犠牲になる』と信じ込ませ、その後、エイドラが腹を立てているのを知って(創造後に)アーリエルとトリニマクに告げ口したのでしょうか?」── Mr_Flippersより


ディヴァイスの回答
「ああ、Mr_Flippersなどと冗談めかして名乗っているが、超越的存在(the transmundane entity)が、我々に問いを与えているな。その上、よい質問だ──私が明確に答えられない質問は、定義上、良い質問であると言える。ボエシアとメファーラは、確かに(現在の)ムンダスが創られる前から存在していた君主であり、その性質からして、何らかの形でムンダスの創世に手を出さずにいられなかったことは想像に難くない。とはいえ、ごまかしをその本質としていたロルカーンを "騙す" ことができただろうか? 検討してみよう。黒檀はそれを手に入れ使用した定命の者を誘惑し、通常の限界を超えた偉業を行わせる物質である。ロルカーンはこれを "意図" していたのではないか? 悲しいかな、この考察は自己言及的であり、故に無意味なものである」



参考文献:
FURTHER READING:


『ヴィベクとメファーラ』

アルムシヴィとは何者か?

モロウウィンドは聖なる国で、神々は血肉を備えている。これらの神々は総じて、トリビュナル、三位一体のアルムシヴィ、ダンマーの徳を体現する三大神と呼ばれている。アルマレクシアは慈悲を、ヴィベクは統制を、ソーサ・シルは神秘を体現する。彼らのうちでヴィベクが最も人気を得やすい。ヴィベクはまた、最も大衆的である。というのも彼は愛された戦士、真なる民の詩人で、美しさと残忍さという相反する性質を備えていたからだ。ヴィベクは風雅な暴力である。ヴィベクはモロウウィンドの聖なる王の1人として、聖堂の文学や典礼に描かれている。彼はヴァーデンフェルという聖ヴェロシの亜大陸を守護し、レッドマウンテンを見張っている。彼は聖トリビュナルの1人で、新聖堂の神、そして神聖にして高潔なアルムシヴィの姿である。

守護神王かつ戦士詩人ヴィベクについてのこの明確な説明は、西の者にとってはもっともよく目にする上になじみのあるものだ。しかしヴィベクがダンマーにとっては、彼の守護者である黒き手のメファーラ、すなわち最初期のチャイマーを作ったデイドラの進化した姿であったことを覚えておくことは重要である。このヴィベクの闇の側面は、人気のある文学や典礼には出ていないが、ダンマーにはヴィベクの神聖な側面に不可欠な部分として無意識に理解され、受け入れられている。ヴィベクの複雑な性質をさらに完全に理解するには、ヴィベクの守護者メファーラの性質と、このデイドラの主の流儀と動機によって表される闇の主題についての理解が必要である。

メファーラとは何者か?

トリビュナルの三大神にはそれぞれ、チャイマー文化の黎明期にその守護者となる存在が描かれている。この守護者は、西では邪悪なデイドラの主アズラ、ボエシア、メファーラとして知られている。聖堂の神学では、アズラはアルムシヴィの魔術王ソーサ・シルの守護者である。ボエシアはアルムシヴィの母にして淑女たるアルマレクシアの守護者だ。メファーラはヴィベクの守護者である。伝説によれば、この3人のデイドラの主の導きにより、現状に不満を抱くアルトマーの群衆が自らを新たな人類に変え、新たな地を創り上げた。策略のデイドラの主として知られるボエシアがこの変化を引き起こすのに必要な革命的な方法を授けたが、メファーラはそれらの方法の陰の開発者であった。

西で知られているように、メファーラは殺人と性と秘密の悪魔である。これらの主題にはどれも、微細な側面と激しい側面が含まれる(暗殺と虐殺、求愛と乱交、配慮と詩的な真実)。メファーラはこれらの相反する主題を逆説的に含み、統合すると考えられている。これらの微細な暗示と矛盾はどれもみな、聖堂の教義では明示も説明もされていないにもかかわらず、ダンマーの持つヴィベクの概念の中には存在するのである。

ダンマーはヴィベク卿を殺人と性と秘密の怪物として思い描くことはない。むしろ彼らはヴィベク卿を善の王、守護戦士、詩人で芸術家として思い浮かべる。だが同時に、無意識にではあるが、彼らはヴィベクの善なる側面の下にほの暗く隠された底流があるという概念を受け入れている。

たとえば、ヴィベクにまつわる長く伝えられる神話の中で最も目を引くものの一つに、彼が支配者の仲間であるアルマレクシアとソーサ・シルと共謀して、ダンマー最高の英雄にして将軍のネレヴァル卿の殺害を企てた物語がある。この物語はアッシュランダーの口承に由来するが、聖堂のどの伝承とも全面的に矛盾している。それにもかかわらず、この話はダンマーの想像力の中に確固たる地位を築いている。それはあたかもこう言っているかのようだ。「もちろん、ヴィベクがネレヴァル卿を殺そうと共謀したはずはないが、とても昔に起きたことだ…誰が真実を知り得るだろうか?」

ヴィベクの表向きの顔は温和で繊細、思いやりがあって下の者を守るというものだ。同時に、ヴィベクの隠された側面、すなわち守護者の持つ、もっと原始的で無慈悲な衝動に関連した、暴力や性欲や陰謀の混じった闇の側面に、ダンマーは見境のない満足を覚えているように思われる。



――――――――――――


Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。検索の利便性のため、過去作に登場している固有名詞などは可能な限り公式訳を採用しています。ESOゲーム内書籍として実装されていない本は英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本の訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Inexplicable Patron - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1027

2021年5月 訳

ロアマスターズ・アーカイブ:ウェアウルフの記録

LOREMASTER’S ARCHIVE: AN ACCOUNTING OF WEREWOLVES

06/06/2014


ファロウストーンの間の賢者スヴァリが同胞団の心得を授けます。

ロアマスターズ・アーカイブにお帰りなさい。今回は賢者スヴァリの助けを借りて、ウェアウルフについて探求します。彼女はこの怪物について新しい伝承の本を紹介し、皆さんの質問に答えるために時間を割いてくれました。

次回は、テルヴァンニの魔術師、ディヴァイス・ファーが、いわゆる 「善なるデイドラ 」の中でも最も知られていないメファーラを取り上げます。デイドラの君主に関する質問や、その他の伝承に関するお問い合わせは、……までお願いします。



『ウェアウルフの記録』

ファロウストーンの間の賢者スヴァリ著

AN ACCOUNTING OF WEREWOLVES
By Sage Svari of Fallowstone Hall


同胞団のスカルドとして、私は『帰還の歌』の物語を学んできました。しかし今、フォロウストーンの間の賢者として、記憶する以上のことをしなければなりません。同胞団の功績と栄光を記録し、我々の名前を守り、イスグラモルの知恵を借りて新たに仲間に加わった者を導くのが私の役目です。

いくつかの分野における私たちの知識が欠けているか、またはすっかり古くなっているのには驚きました。私の名誉ある最初の仕事として、この空白を埋めるために最善を尽くすことにします。まず手始めに、私の前任者である賢者ティロラが編纂した、同胞団が直面する一般的な脅威についての書物である『敵の記録』に手を加えることから始めたいと思います。

最近、ウェアウルフに関する依頼が増えていますが、それらについて私たちが記録している知識はまばらです。ウィンドヘルムからイヴァルステッドまでのノルドに話を聞いたところ、ハーシーン(そしてその子供であるウェアウルフ)の教団がスカイリム中で増えていることに誰もが同意しています。ライカンスロープの呪いを積極的に求めている狂人がいるという報告さえ耳にしました!

デイドラの君主の邪悪さについては、誰にも、特にノルドにはあらためて思い出させる必要はないと思います。たとえ狩りの楽しみを自らの領分だと言い張る者であっても。ウェアウルフの野生の力には心惹かれる部分もあるかもしれませんが、ハーシーンに魂を奪われれば、ソヴンガルデの広間を見ることはできないということを覚えておいた方がいいでしょう。ライカンスロープたちはハーシーンのハンティング・グラウンドで永遠に、血への果てしない渇きと追跡の奴隷として過ごすことになります。伝説の英雄たちと酒を飲み交わしたり、喧嘩したりする代わりにね。

イズグラモルは我々に、手についた血で敵を知ることを教え、航跡に積まれた死体に征服のルーンを描くことを教えました。我々の戦士たちは数多くのウェアウルフと相対してきたのです。今はそれを実践するのに手頃な死体が手元にありませんが(何故ならそれが私たちの快適な図書館を汚してしまうので)、代わりに彼らについての知識をここに残しておきます。


Thonarcal Ice-Fistはその時の嫌悪感をこう語る。
「目の前で奴らの一人が変身するのを見て、血の気が引いた。そいつに飛びかかられて、俺はそのあまりにグロテスクな姿に唖然としちまったんだ。相手がまだ恐ろしい獣の姿になっていない時も注意しろよ」

Irmgarde the Bootbarrenは、その獣の秘密を知っている。
「彼らを狩るときには、常に毒を塗った刃や矢尻を用意しておくことだな。それほど強くない毒でも、あの怪物を破滅させられるらしい」

Hallveig God-Haterは、彼らの毛皮について物語を読んだ。
「俺には奴らの毛皮が、何かを表しているように思える。濃い色の毛皮を持つやつは、素早い一撃とぼろぼろの爪を使ってお前を引き裂こうとしてくる。たまに白いやつを見かけることもある。そいつは大抵群れを引き連れていて、遠吠えで奴らを戦いに駆り立てるんだ」

Agdis Bearbloodは神々に祈りを捧げる。
「奴らに噛まれたり、切り裂かれたりしないように。もし噛まれたり切られたりしたら、すぐに司祭のところへ行くべきだ。その病は治療できるが、血に入る危険は冒さない方がいい」



賢者スヴァリがあなたの質問に答えます:
SAGE SVARI ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「ライカンスロピーと吸血症がどのように広まるかはよく知られています。特にモラグ・バルが最初の吸血鬼を作ったときの物語などは、策謀の神そのもののように、本当に陰惨でおぞましいものです。にも関わらず、ウェアウルフの誕生にまつわる伝説を見つけられないことに、私の鱗は乾いてしまっています。そこでお尋ねしますが、ハーシーンが最初のウェアウルフを創造したときの秘密に迫るような、神秘的な伝承や古代の伝説をご存知でしょうか?」── Rasheel of Moonmarch, scholar, explorer, adventurerより


スヴァリの回答
「私はこの問題の研究を続けていますが、今のところウェアウルフの起源についての決定的な記述は見つかっていません。とはいえ、ハーシーン公が関与していたことは間違いありません。タムリエルでは神話紀の初期からライカンスロピーの呪い(あるいはギフトと言う人もいます)が知られていたので、この空白はさほど驚くことではありません。イスグラモルが人間に文字をもたらす前の時期なので、その時代に書かれたものはありませんが、私は口伝の記録がいつか見つかることを期待しています」


「『ノキシフィリック・サングイボリア』には、「突飛な仮説のひとつによると、それはハーシーンとモラグ・バルの間でのデイドラの裏取引か何かの結果であり、それがノキシフィリック・サングイボリアの罹患者にウェアウルフのような月光を好む性質を与えたのである」 という記述があります。これは非常に興味深い。この説の由来を詳しく教えてくださいますか?」── Dylan Barnesより


スヴァリの回答
「問題の本の著者であるCinna Scholasticusは、彼のその名前にもかかわらず、ほとんどの真面目な学者から、自己顕示欲が強く物事を大袈裟に騒ぎがちな人物とみなされています。とはいえ、問題の作品のほとんどはZoorophim博士の『呪われた苦悩の総合索引』、特にその「伝染病」の章から引用されているものなので、その作品に見るべきところがまったくないというわけではありません。もっとも、ハーシーンとモラグ・バルとの間で交わされた地獄の取引というアイデアは、Porphyry Caryatidの悪名高い『セブンティーン・テイスツ・オブ・インファミ-』というフィクション作品で初めて登場したものですから、無責任な憶測と言わざるを得ませんね」


「セイニーズ・ルピナスとカニス・ヒステリアの違いは何ですか? カニス・ヒステリアは、ESOコレクターズエディションのエンペラーズ・ガイド(※the Emperor's Guide from the ESO Collector's Edition)に記述されています。「グレンモリルの魔女はポルフィリック・ヘモフィリアとカニス・ヒステリアの秘密をその嫉妬深い手で握っている」。 C. Hysteriaを一つの病名として参照しているのであれば、なぜそれを吸血鬼の病気と一緒に並べて語るのでしょうか? カニス・ヒステリアもまた病気ですよね?」── Kinetiksより


スヴァリの回答
「"セイニーズ・ルピナス "と "カニス・ヒステリア"という用語は同じ意味で使えますが、少なくともここスカイリムでは前者の呼び方のほうが一般的です」



参考文献:
FURTHER READING:


『フォールン・グロットの伝説』

遠い昔、7人の息子と7人の娘を持つ男がバンコライに住んでいた。家族の住まいは、森の外れにある、奥深くまで続く曲がりくねった洞窟の中にあった。

周囲を取り囲む森は、熊、狼、アナグマ、鹿など、ありとあらゆる種類の生物であふれていた。大家族ではあったが、獲物は豊富にいて狩りも楽だったため、空腹とは無縁だった。

「ハーシーンの祝福に感謝しなくては」と男は言った。

そして狩りの神を祭った祠を家の中に建て、ハーシーンに祈りを捧げることにした。洞窟の壁には動物の脂肪と土を混ぜたものを塗った。子供達が狩った鹿から枝角を取って祭壇を作り、妻は皮を編んで敷物を作り、土の地面を覆った。

祠が完成すると、男のその家族は獣脂のキャンドルを灯し、雄牛をあぶり焼きにし、祈りの言葉を唱えながら雄牛の血を祭壇に注いだ。

すると突然、笑い声が聞こえ、雄牛の死に際の鳴き声とその焼かれた肉の匂いに誘われたハーシーンが、彼らの目の前に現れたのだった。

「上出来だ!」とハーシーンは大股で歩み寄りながら大声を上げた。何重もの動物の革に身を包んでいたが、足元は裸足だった。

「私はあなたの忠実なるしもべです」と男は神の前にひれ伏しながら言った。

「信仰心の証明として」ハーシーンは言った。「7人の息子と7人の娘を送り出すがいい。夜明けから夕暮れ、そして夜明けまで、私が満足するまで狩りの獲物にしよう」

男は恐怖で後ずさりした。「そんなことできません!」男は言った。「他のものなら構いませんが、子供達だけはご勘弁を!」

ハーシーンは目をしかめ、洞窟の天井に向けて片手を上げた。そしてもう一方の手で地面を指した。ハーシーンが叫び声を上げると、壁が内側へ崩れ、祠と男の家は破壊された。

捧げ物から上がる煙のように塵が舞い上がり、がれきの中から16体の森のトロールがドシンドシンと頼りなさげに現れ、よろめきながら洞穴から森の中へと入っていった。

ハーシーンが冷たく言った。「獣にするにも値しなかったが、どうせだから狩りをするとしよう」



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。検索の利便性のため、過去作に登場している固有名詞などは可能な限り公式訳を採用しています。ESOゲーム内書籍として実装されていない本は英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本の訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: An Accounting of Werewolves - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1001

2021年5月 訳

ロアマスターズ・アーカイブ:ムンダス・ストーンの謎

LOREMASTER’S ARCHIVE: MYSTERIES OF THE MUNDUS STONES

05/23/2014


タネスのレディ・シンナバーが伝承について質問に答え、彼女の最新の研究を紹介します。

今回のアーカイブへの冒険では、タネスのレディ・シンナバーが、タムリエル中で見つかるムンダス・ストーンとその魔法的性質についての調査を紹介します。また、ESO内の伝承の本をいくつか紹介し、いくつかの質問に対するレディ・シンナバーの回答もご紹介します。

次回はウェアウルフについてご紹介します。人狼についてのご質問やその他のトピックについて、お寄せください。



『ムンダス・ストーンの謎』

タネスのレディ・シンナバー著

MYSTERIES OF THE MUNDUS STONES
By Lady Cinnabar of Taneth


マジカと霊魂の次元であるエセリウスが、ニルンに与える影響は疑う余地がない。「それは、建築家マグナスとマグナ・ゲがムンダスを脱出した際に残した層状(laminar)で輝く(luminar)穴を通り抜け、オブリビオンのベールを越えて、定命の者に光と魔法を届けている。彼らの逃亡の理由はさておき(そして私が深遠の暁紀の起源説や、エセリウスから完全に切り離されたニルンについての思考実験へ話を逸らしてしまう前に)、星々とその力、その配置は、いくつかの文化において長い間、熱心な研究や崇拝の対象となってきた。

アイレイドは一般的にエセリウスに関連する(Aetherial)魔法の実践と関連づけられている。彼らの創造物については、私の著作『エセリアルのかけら』に詳しく書かれているが、ひとまずここでは彼らがまだ完全には解明できていない方法で星の光を操り、蓄えることができたと言えば十分だろう。ネディックの人々もまた星に興味を持っていたが、彼らの文化は魔法の研究よりもむしろ神学に重きを置いていた。しかしながら、ネディックの最高位の神官たちがエセリアルの魔法を呼び起こす古代の儀式を行なっていたという証拠がある。もしも彼らの重苦しく、華麗で、非常に翻訳に苦労する韻文が何らかの示唆であるとするなら、彼らは星座とその象徴に特別な関心を持っていたといえる。

星座はそれぞれが魔法の領域を占めており、それはムンダス・ストーンから発せられる観測可能なエネルギーや、それが個人に力を与える能力を持っていることからもわかる。誰が何の目的でこの石(タムリエル全域で見つかる)を建てたのかは不明だが、その魔法的な共鳴から、各星座の特性がそれぞれに固有のものであることは明らかだ。この事は疑問を浮かび上がらせる。それぞれの星座はマグナ・ゲを象ることを意図され、彼らの本質を星座から送られる光として分け与えているのか? それぞれの星座は、「ソブンガルデ」や「碧落の岸」など、異なるエセリアルの領域への窓なのか?

アリクル砂漠にあるいくつかのストーンについて、限られた資金の中ではあったが、私自ら慎重に調査を行った結果、不思議な現象を発見した。守護星座──魔術師座、盗賊座、戦士座──が、他の星座を大蛇座の破滅的な混沌から守ると言われていることは誰もが知っているが、私の調査は、この伝説についての魔術的な裏付けの一部を明らかにしたと言えるかもしれない。戦士座の石を調査したところ、星から石へ向けて送られ、さらにそこから外部に向かって放射される強いエセリアルの流れが見つかったのだ。なぜ他の学者や魔術師がこのことについて言及しないのか、私には何とも言えない。ムンダス・ストーンは研究が進んでおらず、このエネルギーが常に活性化しているわけではないからかもしれない。

私の理論では、これと似たような性質を持つまだ発見されていない石が他にもあり、それには星座の力がさらに集中されているのではないかと考えている。これらの魔法の経路を操作したり──あるいはより興味深い方へ考えるなら、それを逆転させて――エセリウスからの反響を生み出したりすることはできないだろうか? もしこうしたことが可能なら、どのようなことを達成できるのか。ムンダスとエセリウスの関係の本質について、何らかの知識を得られるだろうか。

この分野での私の研究は、答えよりも多くの疑問をもたらしたのではないかと心配している。だがこの研究の意味するところには、筆者同様、読者も間違いなく胸を高鳴らせていることと思う。残念なことに、このプロジェクトのための追加資金調達は困難に直面しており目下、新しいスポンサーを探している。可能な限り早く、この魅力的な発見を追求できることを願う。



レディー・シンバーがあなたの質問に答えます:
LADY CINNABAR ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「実際のところ、エト・アダは何人くらいいるのでしょうか? 数百万人ですか? 数千人ですか? それともほんの一握りですか? これにはちょっと混乱させられます。というのも、ニルンの創造の神話では一握りのエト・アダにしか触れられませんが、オブリビオンにはものすごい数のデイドラがいて、空にはムンダスを脱出したマグナ・ゲによる何百万もの星があるのです」── jack-wagon-jacobより


レディ・シナバーの回答
「エト・アダは、ムンダスの創造よりも前に存在していた "原初の霊魂" です。よりアヌに近い(Anuic)、つまり秩序の性質を持つ者はエイドラとなり、自らを犠牲にして定命者たちの舞台(the mortal arena)を生み出しました。よりパドメイに近い(Padomaic)、混沌の性質を持つものは、オブリビオンの諸領域に生息する「デイドラ」、あるいはムンダスやオブリビオンを去ったもののいまだ訪れることは可能だとされている「マグナ・ゲ」となりました。エト・アダを網羅しようとしたり数を数えたりすることは無駄な努力でしょう。彼らは定命の者の理解を超えており、彼らに対する我々の認識は、複雑な現実の不完全な影に過ぎないからです。多くの学者がその試みによって狂気にとらわれてきました」


「そのセレスティアルとかいうのは一体何?」──Darkweaverより


レディ・シンバナーの回答
「ああDarkweaver、あなたが頼りです。セレスティアルの暗い謎を解き明かして、あなたがその名にふさわしい存在であることを示してくれることを期待しています。意志を強くしてクラグローンの危険に立ち向かい、セレスティアルの起源の秘密を暴くのです。調査結果はハンマーフェルのタネスにある、第5教義の塔のレディ・シンナバー宛に送ってください。私がタムリエル中を驚かせるような論文に仕上げます。では、オンシの輝く刃があなたを導きますように」



参考文献:
FURTHER READING:


『エセリアルのかけら』

タネスのレディ・シンナバー著


多くの若い学生達は次元について、とっつきにくい分野だと考えている。同年輩のエリンヒルのファラスタスは利己的な議題で読者を遠ざけるが、私は最初に先入観のない具体的な実例を用いて説明すべきだと考えている。エセリアルのかけらを学べば、自然と次元について理解できるようになる。

読者も流星を見たことがあるだろう。これは、精神的次元であり魔法の源でもあるエセリアルの破片が排除されてニルンに落ちてくることで起こる現象である。落ちた場所に行けば2種類の物質、隕鉄と碧水晶が見つかるはずである。この両物質は並外れた魔力を秘めている。この本では、珍しい流星碧水晶に焦点を絞り、歴史の中での使用例とその様々な性質を見ていく。

第一紀初期までシロディールを支配していたエルフ、アイレイドは、このスカイストーンを幅広く使用していた。彼らは先進的な魔法の知識を活用して青色ウェルキンド石とヴァルラ石を作ることで、エセリアルの星光を利用し、マジカを貯蔵し、付呪物質に力を与え、消えることのない明かりを作り上げた。破壊魔法を封じ込めることもあり、自動化された防衛装置としてその役割を果たしていた。

この星の器の作成方法は現在失われている。アイレイドは流星碧水晶を複製してそれに付呪することで、相当数の星の器を作り上げた。新たなウェルキンド石やヴァルラ石の合成だけでなく、力を失った流星碧水晶の再生も今のところ成功していない。実験をしているとオリジナルの石が砕けて役に立たなくなってしまうことが頻繁に起こる。研究が上手く行かなかったり、アイレイド遺跡の危険な探索が必要となったりすることも珍しくない。

金色をしている現代のマロンド石とクランダ石は青色アイレイドの破片と似ている。ハイエルフの生産物か発見の一つであり、サマーセット諸島で最も多く見かける。マロンド石は再充填が可能なため、魔術師はこれをマジカの補充や、マジカの保管、付呪アイテムの充填に使用できる。クランダ石は明るい金色の光を発する。魔法効果を引き起こしたりマジカを保管できるが、使用したり空になったりすると砕けてしまう。

読者もエルフ文化を盲目的に称賛しているファラスタスの話はご存じだろう。彼はアルトマーがアイレイドの数々の秘密を解き明かして、それに改良を加えたと主張している。ファラスタスはそれだけでなく、彼らがマロンド石とクランダ石を小麦のように栽培していると考えているようだ。それよりも、現存しているアイレイドストーンと流星碧水晶を応用研究したことで、さらに信頼できる再充填方法を発見したとする説の方が筋が通っているだろう。

別の種類のエセリアルの破片であるスカイプリズムは、月が特定の並びになるとバラバラになってニルンに降り注いでくる。欠片を3つ集めると、未知の力によって銀色のプリズムを再形成し、融合によって解放された力を近くの物質に付与する。他のスカイストーンと同じようにこの石も比較的珍しく、研究のために見本を手に入れるのは容易ではない。空を起源にしているにも関わらずたびたび地下で見つかるが、これは地底に住む生物が光源として利用するために地下へと持ち込むからである。

十分な検証と研究が行われれば、この便利なアイテムの作成方法を解明できると考えている。そして次元を完全に理解できれば、その力を手に入れることも不可能ではないだろう。



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。検索の利便性のため、過去作に登場している固有名詞などは可能な限り公式訳を採用しています。ESOゲーム内書籍として実装されていない本は英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本の訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Mysteries of the Mundus Stones - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/979

2021年5月 訳

ロアマスターズ・アーカイブ:タムリエルのアンデッド

LOREMASTER’S ARCHIVE: UNDEAD IN TAMRIEL

05/09/2014


私たちのこの新シリーズ第1弾で、新しい伝承の本を読み、アンデッドについての知識を深めましょう。

第1回目のロアマスターズ・アーカイブにようこそ! ここでは、タムリエルのアンデッドとそれを生み出す者たちがもたらす脅威について考察します。今回は、エリンヒルのファラスタスの新しい本と、このテーマに関する追加の本を紹介します。次回の記事では、ムンダス・ストーンと、クラグローンで発見された冠石を取り上げます。これらやその他の伝承に関する質問を送っていただければ、次回の記事でお答えするかもしれません。



『不浄の軍団』

エリンヒルのファラスタス 著


すべての魔術の中でもっとも不浄とされる死霊術が隆盛を極めつつあることは疑いもない事実である。不穏な亡霊やよろめく死体、そしてそれ以上に恐るべき存在の話がタムリエル全土に広がり、一般の人々を恐怖に陥れている。これは憂慮するべきことである。そして私は学徒としての責務として、無知蒙昧な者達にこのことを伝えることにより、より知的な教育を受けた人々がアンデッドの脅威に気付き、立ち向かう準備を整えてくれることを願うものである。

死霊術とはご存じであるように、霊魂や霊的エネルギー、あるいは死者の死体を操作することである。不本意な亡霊も少なからずかかわっており、理性的な者の目から見ればこのような魔術の「研究」など不快以外の何物でもない。そして死霊術の知識の多くはデイドラの勢力、特にあの唾棄すべきモラグ・バルと関連していることは驚くことではなく、これを敬遠すべき学派である根拠をより強固とするものである。

以下にアンデッドの主な分類の説明を記述する。


蘇生体

この恐るべき存在は、死霊術師が使役された霊魂を死体、もしくは死体から作り上げたコンストラクトに召喚し、植え付けることで作られる。ここでは通常、下級デイドラのエキスが使用される。蘇生体は下等なスケルトン(死霊術師入門者に大好評な)から、巨大な肉の精霊まで様々な形態を持つ。未聖別な死体が必要なことから、一部の気まぐれな魔術師が力を得るために殺人を行うことも知られており、地域社会への危険が懸念される。蘇生体との遭遇を最小限にとどめるには、手入れのされていない墓地や隠れた洞窟、遺跡を避け、死霊術と疑わしきことがあった場合、すぐに地域の当局に報告し、捜査を依頼するべきである。


蘇りし者

亡霊やレイスは様々な理由により具現化する。ある者は強力な呪いによりニルンに封じられているため、あるいは儀式を通じて召喚された者、またはやり残したことがある未練により現世から離れることを拒んでいる場合などがある。ある者はその一族によってとどめ置かれている場合などもある。この風習をダークエルフたちは死霊術ではないと言い張ってはいるが… 馬鹿げたことだ!

私の最近のソウルバーストと呼ばれる現象に関する研究では、前述の現象と蘇りし者の目撃数、活動件数の増加との関連性が示唆されている。実在を止めた後の自然な魂の以降が、継続して阻害されていることが強く示唆される。この仮説を中傷する者、特に見当違いなタネスのレディ・シンナバーなどは、わずかながらにも精査された反証を一切提供していない。


呪われし者

不死は必ずしも無法者の魔術師が魂や腐った肉体で実験した結果物だけではない。ノクソフィリック・サンギヴォリアのような呪われた病気は生きている者をも蝕む。その結果として生まれるのが、栄養を得るために生き血を必要とするアンデッド・クリーチャーである。吸血鬼はクランとして引きこもって地下に潜み、生き血を吸うための虜囚を得るためだけに地上へと出る。場合によっては、その精神が正気を失う域まで達してしまった者もあり、その者は一般的に「狂血鬼」と呼ばれる、思考力のない怒れる抜け殻のような獣となる。そのような獣を見かけた場合、直ちに現地の戦士ギルドに通報すること。


悪趣味な混合

アンデッドの中には、単純な分類をも超越する者達もいる。たとえばリッチなどは生前に持っていた魂によって自主的に蘇生した死体である。通常は不老不死を目指した強力な呪文使いだけがこの状態を作り出せる。ただ一般の人たちには幸運なことに、リッチは自分の研究に没頭している場合が多く、古代遺跡に首を突っ込まない限り、旅人が彼らと遭遇することはまずないはずだ。

これでこの忌むべき風習とその不快な結果物についてよりよく知ったことで、アンデッドの脅威に対処するための準備がある程度できたと思う。言うまでもないことである(だが、あえて言わせてもらう)が、このような時代であるからこそ我々は死霊術を報告し、対決する責任がある。このような唾棄すべき魔術の研究に何らかの利点があるというような考えに賛同してはならない。理性のある人なら誰でも、そのような主張は狂気の沙汰であることを理解するだろう


続いては、The Elder Scrolls Onlineで追加された伝承の本です。



『アーケイの聖別』

パンクティリウス・ティルス 著


あなたはアーケイ教団の見習いとして、あなたにとって賛美と責任になるであろう礼拝を始める。有為転変の主に仕える私達には、呪縛もしくは解放されているすべての定命の者達の保護が課せられている。

なぜなら、他の人々の魂を餌食にする者達がタムリエルにもタムリエルの向こうにもいるからである。異端者達は、死にゆく魂を背徳の行先へ迂回させるだろう。死霊術師達は、死者の魂を永遠に奴隷としてあの世へ縛り付けるだろう。そしてデイドラの主達は、獲物をあさる狼のように定命の者達の魂を大いに食い荒らすだろう。

私達はこれらすべてを忌み嫌い、慎み深い人々の領域から火と槌で追い払う。そして私達のこの素晴らしい仕事を援助するために、アーケイは3つの聖別を与えた:

私達が誕生に授けるアーケイの恩寵は、自らの意思を行使するに十分な歳になるまで無垢な魂達を保護する。

私達が死の間際に授けるアーケイの祝福は、彼らの魂が承諾なく使われることを防ぐ。

私達が死者に授けるアーケイの天啓は、彼らの肉体が背徳な奴隷の身にさせられないようにする。

見習いよ、今日あなたが入会した教団の信心よりも神聖な信心はない。命の敵はとても用心深く、素早く無慈悲な冷酷さで怠慢を罰しようと構えている。強く、揺らぐことなくあれ。



『ノキシフィリック・サングイボリア』

シンナ・スコラスティクス 著


吸血症の病気は一種類ではなく、多数ある。総じて吸血症として知られているその苦痛は、何世紀にも渡り、未知の原因で、異なる経路で伝染し異なる性質を持ってきた。この文書において、私は力の及ぶ限り、ノキシフィリック・サングイボリアとして知られている私達の時代に一般的な吸血症の種類の特性を正確に叙述し、読者がこの型の吸血鬼を見分けるより良い素養を身に着けられるように尽力する所存である。

しかしながら、まず初めは警告の言葉であるべきであろう。この研究は吸血鬼を狩る、あるいは吸血鬼に立ち向かう手引きなどでは決してない。いかなる場合においても、吸血症と疑わしき人は避け、絶対に彼らと戦おうとはしないよう忠告する。すべての種類の吸血鬼は超自然的な強さを持っており、最も経験を積んだ狩人以外のすべてを一瞬のうちに打ち倒すであろう。

ノキシフィリック・サングイボリアの罹患者について覚えておくべき最も重要なことは、その名がほのめかす通り、彼らは他の品種の吸血症の罹患者のように日光に衰弱させられることがなく、それどころか、夜間にさらに強力になる。

なぜこれが理解しがたいケースであるのか。突飛な仮説のひとつによると、それはハーシーンとモラグ・バルの間でのデイドラの裏取引か何かの結果であり、それがノキシフィリック・サングイボリアの罹患者にウェアウルフのような月光を好む性質を与えたのである。

夜間、この狩人達は極度の我慢強さと傷から回復する強力な能力を保持する。

ノキシフィリック・サングイボリアの罹患者は取り調べにて、もちろん強力な鎮静剤の使用下でだが、彼らが最初に噛まれ病気に苦しめられた時からの非現実的なくだりを述べた。彼らの何人かは、彼らが黒い血のプールに浸された場所である儀式的な部屋に入る様子を述べた。その変身が実際にそういった恐ろしい儀式に関係するのか、もしくはそれがただの幻覚にすぎなかったのか、直接経験しなければ識別することは不可能である。

もしノキシフィリック・サングイボリアの保有者に噛まれた、もしくは噛まれたと思ったら、パニックに陥ってはいけない。その襲撃者から逃げることが可能な場合、ただちにアーケイの司祭に会うのだ。まず吸血鬼によって血を抜かれ、吸血鬼の血の贈り物を受けることがなければ、ノキシフィリック・サングイボリアに完全に感染することはない。



――――――――――――

Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive: Undead in Tamriel - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/945

訳:かみつき 2021年5月

ロアマスターズアーカイブ:グアルのすべて

Loremaster’s Archive: All Things Guar 04/17/2015 ダールモラの著名なグアル飼いであるエスクーが、グアルの飼育と訓練に関する皆さんの質問にお答えします。あなたが思っている以上に、知るべきことはたくさんあります! グアルへの関心が急に高...