2023年7月25日火曜日

ロアマスターズ・アーカイブ:奴隷の反乱

LOREMASTER’S ARCHIVE – THE SLAVE REBELLION

02/06/2015


今回登場してくださる私たちの最も栄えある寄稿者は、他ならぬアブナー・サルン議長その人です!

議長の博識と洞察力はタムリエル全土で知られている通りです。彼がアーカイブを訪れ、アレッシアによる奴隷の反乱とアイレイドの滅亡を考察した最新の伝承の本を共有してくださることに、私たちは感激しています。私たちの慎ましい蔵書庫とそのコレクションに対する議長の公正な批評を聞く途中で──まったくの事故で──彼にお茶を浴びせてしまったことについては、この場を借りてあらためて深くお詫び申し上げたいと思います。

次回のロアマスターズ・アーカイブでは、『野蛮人と獣の生活』の著者であるアーセナイス・ベロック氏をお招きし、リーチの民に関する新たな伝承の本をご紹介いただく予定です。ご質問をお送りください。



『奴隷の反乱─人類の勝利』

アブナー・サルン議長 著

THE SLAVE REBELLION – MAN'S TRIUMPH
By Chancellor Abnur Tharn


アイレイドの滅亡は避けがたいものであった。それは思慮のない学者たちが主張するように、エイドラの意志や不条理な神話的存在によるものではなく、彼ら自身の退廃的なデイドラ崇拝と奴隷に対する重大な過小評価がもたらした結果であった。アイレイドに挑んだ人間の指導者たちの中でも、聖アレッシアは、文化的な腐敗が支配者たちを弱らせていることを認識し、これを利用することで人間を偉大な勝利の一つへと導いた。

堕落したエルフたちは、こと奴隷に与える新たな恐怖を考案する事については非常に独創的であったという。"肉体彫刻" のような彼らの習慣がシロディールの虐げられた男女を反乱に駆り立てるとは、どれほどの衝撃であっただろうか。エルフたちはその自惚れのために、反乱の可能性など考えもしなかった──これは奴隷たちにとって好都合であった。アイレイドがその力の絶頂期であったなら、奴隷たちは即座に叩き潰されていたであろう。

タムリエル各地に残る遺跡が示しているように、アイレイドたちの力は驚異的なものであった。しかし、その強大な力の源は衰退のきっかけともなった。彼らはデイドラの君主たちとの取引により求める力を手に入れていた。彼らが制御できていると信じていた──典型的なエルフの傲慢さである──その毒は、彼らの社会を内部からを侵していった。さまざまなデイドラ教団が、その常として、いがみ合いと裏切りを繰り広げ、反乱者たちがつけ入る亀裂を形成していったのである。

アイレイドによる支配が崩壊したもう一つの決定的な要因は、虐げられた人々の不屈の意志であった。アレッシア、モリハウス、ペリナル・ホワイトストレークのような英雄についての記述は広く知られている。これらの物語に少なからず誇張が含まれていることは、多少なりとも知性のある者には明らかであろうが、非凡な個人が第一帝国の樹立を可能にしたことは疑いようがない。

アレッシアが率いた奴隷の軍団には、人間のもつ真の可能性を示す事例が数多くあった。現存する記録が多くないことは遺憾というほかない。数少ない記録から我々が読み解けることは少なく、不誠実な学者たちはしばしば、政治的な中傷を目的として記録を歪曲するものである。私の先祖である "サラヌス・イ・レッデハンド(Tharanus Ye Redde-Hand) "は、不明瞭かつ典拠の疑わしい馬鹿げた解釈に基づき、奴隷監督官として描かれたり、あまつさえ "漸進的虐殺" の実行者であるサーハンと同一人物であるなどとほのめかされてきた。下賤の者の嫉妬は私にとって愉快なものだが、時として非常に煩わしくなることもある。

現実には、私自身が顧問としての特権により白金の保管庫で閲覧した貴重な書物によれば、最近発見された『先駆者たる聖人の巻物』も含め、サラナスについての記述は、彼がアレッシアの大義を支えた重要な人物であり、偽造した配送指令によって敵の補給路を混乱させただけでなく、大隊を率いて最も血なまぐさい戦いのいくつかに自ら参戦していたことを示している。悲しきかな、誹謗中傷の輩は、私がこの巻物を偽造したというとんでもない言いがかりをつけるまでに落ちぶれている。見下げ果てたものだ。

アイレイドの弱さと、アレッシアに付き従った者たちの錚々たる顔ぶれを考えれば、最初の奴隷商人の首が斬り落される前から、戦いの結果は決まっていたといえよう。奴隷の反乱は、デイドラを軽んじる愚行について教訓を与えると同時に、タムリエルの心臓の正当な支配者であり続けてきた人間の力を示している。これからもそうであろう。



アブナー・サルン議長があなたの質問に答えます:
CHANCELLOR ABNUR THARN ANSWERS YOUR QUESTIONS:


「サルン様。アレッシアによる奴隷の反乱において、あなたの高貴な一族が果たした役割はよく知られています。私がいつも興味をそそられる人物の一人は、他ならぬ謎めいた大司教フェルヴィディウス・サルンなのですが、彼についての記述は稀なものです。寛大な議長であれば、この問題に光を当ててくださるでしょうか?」── Archivist Jimeee of the United Explorers of Scholarly Pursuits より


アブナー・サルン議長の回答
「公文書保管人(Archivist)よ、貴様の質問を嬉しく思う。というのも、しばしば誤解されるこの人物について、記録を正す機会を与えてくれるからだ。私の先祖であるフェルヴィディウス・サルンは初め、アレッシア教団の敬虔な修道士であった。だが彼の功績と人柄が明らかになるにつれて──育ちの良さは自ずと示されるものだ──彼は次第に大きな責任を任されるようになり、やがては教団全体の大司教となった。当時、大司教は皇帝にも匹敵する権力を握っていたが、それでもフェルヴィディウスには教団内外に強力な敵がいた。そのうち最大の脅威は、マルクの選ばれし者(Maruhkati Selective)と呼ばれるアレッシア信者の狂信的な分派であった。大司教フェルヴィディウスは、選ばれし者の狂信者たちが "塔の杖" と呼ばれるアーティファクトの8つの部分を見つけて組み合わせることで、アービスに、ある種の神秘的な再構築をもたらそうと画策していることを知った。この8つの部分は、完全な状態の杖がもたらしうる脅威のため、第一紀の初期に意図的に分離され隠されていた。フェルヴィディウスは、これを探すため教団の諜報員を派遣した──ただし、一部の者が言うようにマルハティの選ばれし者を支援するためではなく、選ばれし者たちが近づけない場所に隠すことが目的だった。悲しきかな、信義に厚い大司教の最期は、最も親しかった味方に裏切られるというものだった。"選ばれし者たち" に勇敢に立ち向かった代償としてその命を落としたのだ」


「議長への質問です。アレッシアの反乱の際、私の故郷であるブラック・マーシュにいたバルサエビク・アイレイド(※)が、対立しあう2つの陣営から、潜在的な脅威あるいは味方として標的にされなかったのは何故なのでしょうか(サクスリールについても同様に)。彼らが近くにあったことを考えれば、何らかの行動を起こしそうなものだと思うのですが、帝国図書館にそういった記録は何もないようです。とはいえ、私たちは貴方が公正さと正確さをどれほど重視するかよく知っていますので。ねえサルン殿?」── Eis Vuur Warden, Wayward and Contract Scholar より

(※Barsaebic Ayleids https://en.uesp.net/wiki/Lore:Barsaebic_Ayleids)


アブナー・サルン議長の回答
「親愛なるウォーデンよ、実に傷ついたぞ。まったくしてやられたと言おう。その言葉の意味するところにはな。他人に長靴を履かせようとする者は、自らが長靴にならぬよう気をつけねばならない。この言葉の意味が伝わるとよいが。さて、話がそれた。バルサエビクとは言うまでもなく、"ナーフィンセル分裂(Narfinsel Schism)" と呼ばれるアイレイドの内紛で、エイドラ側に属し、"ウェンデルベクの浄化(Scouring of Wendelbek) "で、デイドラ崇拝者たちによってシロディールから追い出された者たちのことだ。これはアレッシアの奴隷の反乱のわずか半世紀前の出来事であったため、追放の屈辱はバルサエビクたちにとってまだ記憶に新しいものであった。アタタール(Atatar)の王グリンフェレン(Glinferen )が、反乱を起こしたネードたちに対抗するため援助を求める使者をギデオンに送ったとき、バルサエビクの王(残念ながら彼の名前は歴史から失われた)は、明確な拒絶の意思を示して使者を送り返した。では何故アレッシアは、他にもアイレイドの同盟者がいたにも関わらず、バルサエビクに呼びかけなかったのか──私たちにわかるのは、そのような同盟が結ばれることはなかったという事実だけだ」


「事実をはっきりさせましょう。モリハウスは雄牛だったのか、人間だったのか、それとも人牛だったのか? 私たちは知る必要があります!」── Imperial Scholar Aidius Lutrus より


アブナー・サルン議長の回答
「同じ帝国の学者の一人として、Aidiusよ、神話という媒体を通してのみ知られる人物について、 '事実' などという言葉が使われるのを聞き、驚いている。'事実' として、モリハウスが人間か、牛か、エイルダール・チーズかは重要ではない──重要なのは、彼の武勇伝が帝国の歴史観(national narrative)をどのように支えているか、そして、モリハウスの強大さと公正さへの信仰が、一般的なシロディールの民の自己イメージにどのように影響を与えているか、ということだ。帝国における建国の物語には、帝国の存続を支えること以外の目的も意味もありはしない。これが驚きであるというのなら、おそらく帝国から貴様への俸給の継続を見直すときが来たのだろう」


「アレッシアについて、あなたのご意見をお聞きしたいです。なぜアカトシュは彼女の──というか、すべてのインペリアルの大義を支持し、彼女に王のアミュレットを授けたのでしょう?」── Alessandra of Cyrodiil より


アブナー・サルン議長の回答
「ああ、その答えは言うまでもなくもう知っているのだろう。忠実なAlessandraよ。議長その人の口から真実をもう一度聞きたいということか? ならば、喜んで引き受けよう。『聖アレッシアは、その清らかさと英知によって、定命の者、定命ならざる者を問わず、すべての善き存在の愛を得た。サンクレ・トールで彼女はアカトシュに民の解放を祈り、時の竜神は彼女に3つの幻視を与えた。その道のりは長く、苦難に満ちていたが、信仰が彼女を支えた。ついに3つの幻視すべてが現実となり、彼女の民がエルフの支配から解放されたとき、彼女の目的は果たされ、彼女は神格化された。そして、彼女はアカトシュ自身によって聖女に列せられ、帝国の神聖な支配者が永遠に身につけるための "王者のアミュレット "を授けられた』いかがかな、Alessandra。神々に祝福あれ」


「若い頃、私たちの祖先は "ネード" と呼ばれていると教わりました。いくつかの歴史書には、ネードはタムリエルの原住民だとするものもあります。その他でば、たとえばダンマーの物語によるとネードはアトモーラから来たとされ、ノルドの従兄弟にあたるそうです。閣下はご自身の高名な血統の系譜について深い関心をお持ちです。そのうえニベン人とその功績に強い民族的誇りをお持ちですから、ネードのアイデンティティについてもご意見がおありかと存じます。私たちのこの謎めいた先祖はいったい何者で、どこから来たのでしょうか?」── Laurina Berne, Master Enchanter, Battlemage Corps より


アブナー・サルン議長の回答
「実に優れた質問だ。多くの優秀な学者たちが生涯を捧げてきた問題を投げかけるか。コーセイ(Khosey)の『タムリエル論集(Tamrilean Tractates)』は第一紀200年頃に書かれたものだが、これより前の歴史的記録は断片的であるか、まったく存在しない。よってこの領域の話は推測の域を出ない。ただし、シロ・ネディック( Cyro-Nedic)の諸部族の口承伝承に共通する要素から、一定の推論を導き出すことはできる。ネードの起源は間違いなく北のアトモーラ大陸だが、ネードは一度にすべてタムリエルに来たわけではなかった。何世紀にもわたり、1度に1部族ずつ、波のようにやってきたのだ。これらの部族は均質とは言い難かった。皆アトモーラから来たとはいえ、リーチの民とレッドガードのように互いに異なる部族もいた。 "ネード部族" という言葉は、実際にはアトモーラのさまざまな地域で生まれた、さまざまな伝統や慣習を持つ人間の文化を広く内包している。ネードにとって、タムリエルはいわば大いなる混合釜となったのだ──アトモーラから伝えられたいくつかの慣習は残されたが、多くが失われた。だが、古く偉大な伝統を忠実に維持し続けてきたニベネイにだけは、ネード本来の文化に光を当てるような連続性を見出すことができる。すなわち、ニベンの者を見る時、それは同時に、この大陸に残るネードの純血に最も近い存在を見ることを意味するということだ」



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Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。検索の利便性のため過去作に登場している固有名詞などは可能な限り公式訳を採用しています。ESOゲーム内書籍として実装されていない本は英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本の訳はESO日本語版同書籍のものです。

原文:Loremaster’s Archive – The Slave Rebellion - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/25057

訳:かみつき 2023年7月


おまけ:関連書籍

『ニベネイのサルン家』

シロディールの貴族達、第十七巻

オピウス・ヴォテポリクス伯爵 著


シェイディンハルのサルン家はニベネイ北部の最も名高い貴族のひとつであり、第一紀の初期以来、彼らはその地で広大な私有地を保持してきた。彼らが言うには、彼らの家は第一紀と同じくらい古いだろうとのことである。系図の研究家が指し示す通り、「サラヌス・イ・レッデハンド」が第一紀200年のタムリエル論文集に述べられている。アレッシアの奴隷反乱より以前の当時、この祖サルンはどうやらファナカスのアイレイド・エルフ、つまり今日のシェイディンハル北部丘陵地の採掘要塞に雇われた奴隷監督官であったらしい。アイレイド人は商業的な記録を赤いインクで残したことで知られているという事実に基づき、サルンの歴史家はこの「レッデハンド」はおそらく教養があり何らかの書記的役割で雇われたのだろうと結論付けている。詳しく述べるために、このサラヌスを悪名高き「切断者サーハン」と同一視するレディ・エウフェミア・グラバーの第一紀227年の学説に触れようと思うが、この説は第二紀541年にアブナー・サルン議長によって白金の塔の下の地下室で発見された「先駈聖人達の巻物」の本文によって完全に誤りを証明された。

一族の言い伝えで、サルン家は「剣を研ぎ死体を処理する者」としてペリナル・ホワイトストレークに仕えたヴィリウス・サルンという人物と共に、聖アレッシアの奴隷反乱において活動したとしている。だが歴史的記録に明確に確認される次のサルンは、第一紀1188年から死去(没年不明)までマルクの選ばれし者の最高位聖職者であったアレッシア教団のフェルヴィディウス・サルンである。フェルヴィディウスは、今日では「十七の慈悲を非難する説法」の作家として有名である。

尊きサルンの隊長は、2300年代の正道戦争で両軍において戦った傭兵部隊を率いた。戦闘が終わった後、ターピス・「方向転換」サルン将軍は現在一族が故郷と呼ぶ広大な所有地を掌握した。シェイディンハル郊外の伯爵の称号を受けた時、ターピスはベンドゥ・オロ提督の姪と結婚し、多くの子孫を残した。

レマン帝国の間、サルンは何世代も立派に素晴らしく仕えた。その中には帝国軍の魔闘士の伝統を蘇らせたレグルス・サルン、そしてカスタブ皇帝の刑罰大臣、エクコレ・サルンも含まれている。

そしてその流れは、現在のサルン家の人々に続く。もちろん何よりもまず、一家の長で元老院の長年の議長、アブナー・サルンである。苦難と皇帝の変遷の時代を通して、我々帝国文明が必要とする継続性と堅実性を提供するため、議長はいつもそこにあり続けた。

次にシロディールの摂政女帝であり、そしてアブナー・サルンと彼の7番目の妻であるブラシアとの娘、クリビア・サルン女王陛下に敬意を表す。クリビア女帝は、述べるまでもないが2人の皇帝の妻、レオヴィックとヴァレンの配偶者である。

わずかに影響力が弱いのが、議長の異母妹であり、第二紀576年降霜の月のクーデター以来リンメンの女王であるユーラシア・サルンである。そして彼女の息子、つまり滑稽でチャーミングなジャヴァド・サルンの存在が無ければ、帝都の社交行事はどうなっているだろうか?

まさに、サルン家は現代のニベン人貴族の典型である。我々は何が起ころうとも、彼らが未来に渡って我々とともにあり続けることだけを願う。

(メモ:十分に仰々しいか?それと、魔導将軍セプティマについて触れるのを忘れた。そうしたら特別手当Aをもらえるに違いない。確約されている。)


Lore:House Tharn of Nibenay - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:House_Tharn_of_Nibenay



『ドラゴンブレイクの立証』

マルクの選ばれし者、フェルヴィディウス・サルン大司教 著


排他令の第一項は、至高の精霊アカトシュが単一の存在であり、そのことは時の単一の直線性によって証明されるとしている。そして明らかに時の弧は我々に聖なる抹消を行うための必滅の舞台を与えている。よって我々のムンダスにおける目的は、聖なる第一の人の間違いを正し、アカトシュを再び純粋な人間の神に戻すことであり、それに対する反論は無益で空虚な軽口である。

よって塔の杖にアルドマーの穢れの多様な培養基を清める儀式の準備をさせよ。すべての選ばれし者は「正しき命」の詠唱を始め、単一の思考状態に達するまでそれを続けよ。その後は各々踊るがよい。最初は時の流れに沿って、それから逆向きに、時の巻物が時計と逆回りに巻かれるまで。

至高類人猿の予言者よ、我らを導きたまえ!誤った場所に置かれたシェザールよ、我らに祝福を!我らの意志が実現しますように!


Lore:Vindication for the Dragon Break - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:Vindication_for_the_Dragon_Break



『ヴァレンウッドで生き残ったアイレイド』

タムリエル細目の第四階層学者 クラウドレストのクイヌア 著


この報告書は、我々の血縁であるウッドエルフの血統へ組み込まれた、アイレイドの血筋を強調することに教化的利点があるかどうか調査するため、サルモール同盟委員会によって委嘱された。広範囲にわたるヴァレンウッドへの旅によって、このテーマに隠れた歴史的事実を突き止めることができた。これらの事実が同盟親睦を深める有益な組織的活動を後押しできるかどうかは、委員会と教化サピアルチ次第である。

ダスクのプルリベルが彼女の権威ある著書「アイレイドの崩壊」で記しているとおり、第一紀243年の白金の大災害には破滅的な要因が様々にあり、契約していた人間の労働者による血の反乱は、主因ではないのかも知れない。プルリベルは、保守的なエドラを崇拝するアイレイドのクランと、退廃的で今なお確実に強力であり、デイドラ崇拝を取り入れたクランが対抗し合った、神話紀末期のナーフィンセル分裂を重要視している。私も同意見だ。この衝突は、第一紀198年にウェンデルベックの粛清で、アタタアのグリンフェレン王がアイレイドの伝統主義者バルサエビクに対してデドラフィル戦士の連合軍を率いた時に頂点を迎えた。バルサエビクはハートランドからアルゴニア北西部へ追放され、それ以降シロディールにおけるデイドラ崇拝に対する組織的な反抗は事実上終わった。

いずれにしても一般的な見解からすれば、アイレイド文明は白金の塔がネードの残虐行為に屈するまでの数世代で次第に衰えた。素晴らしいエルフ文化の廃墟の中に佇みながら勝者は、敗れたクランを拷問と残酷を好む暴力的なデドラフィルに仕立て上げることで、虐殺の正当性を捏造した。奴隷女王の一団と運命を共にしたエドラ信奉者を大部分とするクランのために、例外が作られた。もちろんこれは彼らの根絶をただ遅らせただけに過ぎず、シロディールの他のエルフが絶滅に追いやられた後すぐ、残虐なネードは否応なくかつての盟友を追跡した。

この様に、ハートランドのエルフが新しい居住地をタムリエルのどこかに見つけようとするアイレイドの離散が始まった。そして明らかに、ある程度の成功を収めた。かつてファルマーが所有していた土地へ北の方から逃れた者達は、悪名高き虐殺者ヴレイジ率いるノルドによって虐殺された。その時までアルゴニアに定着していたバルサエビクはかつての迫害者であるアタタア人への迎合を拒否し、ほとんどのクランは猫人の領地への不運な遠征で消滅した。いくつかのクランはハンマーフェルからイリアック湾への長い行軍に出発し、一部は到達して、そこで長い歴史を持つバルフィエラのディレニに合流した(そして吸収された)。

最も成功を収めた、かなりの数がいるクランはヴァレンウッドの森林下にある南西へ逃れた。アヌトウィル、ヴィルヴェリン、タルウィンク、バウン、ヴァロンドのクランはみな、森の中に新しい生活を切り開くべくほとんど無傷で逃れた。これらのクランはみなデイドラ公達を崇拝していたが、ヴァレンウッドへの移住を強いられた後はその崇拝熱が薄れたかの様に見えた。おそらく、見捨てられたクランが助けを必要としている時に、デイドラ公達がほとんど、あるいはまったく手助けしなかった事実が原因だろう。幸い彼らの新しい主人であるボズマーは、ハートランドのエルフがグリーンパクトのあらゆる面を受け入れて森に害を与えない限り、アイレイドを領地へ受け入れることに驚くほど寛大であった。アイレイドは同意するしかなく、おそらくこれが彼らの文化を薄れさせる一因となった。

本来の形が薄められていくうちに、やがて吸収され、そしてついに忘れられた。私はヴァレンウッドの素晴らしいアイレイド遺跡を歩いた。ヘクタヘイム、ルレニルズ・フォール、ベララダ、ラエロリア、さらに1ダースもの遺跡。どれもあの離散から、2000年もまだ経っていないのだ。何らかの理由でアイレイドはある時偉大なるグラー・オークに従属し、その独特の文化は完全に消滅した。

ヴァレンウッドのアイレイドの絶滅を説明する時に、私の前任者であるヴェラスピドのゲルガラドは彼の「ディシェリテージの定説」、つまり何らかの理由により森のアイレイド同士で繁殖できなくなり、地元民のボズマーとの結婚でしか子孫を残せなくなったという説を重要視した。この説は確かにアイレイドの緩やかな消滅を説明するかも知れないが、残念なことにゲルガラドの定説は旧い物語や言い伝えに裏付けられているに過ぎず、事実による立証が欠けている。

シメレネ大学のセティス博士の反論はここで言及するに値する。彼女の説明はアイレイドの衰退を、以上に強いボズマーの飲み物を過剰摂取したことによるとしている。喪失への深い悲しみに傷つき易くなっていたアイレイドは、ウッドエルフの麻痺性のある飲み物に取りつかれてしまい、努力をやめてしまったとセティス博士は考えている。これに関しては、他の者達の勤勉な努力の誇示によってしばしば侮辱されるボズマー達自身から勧められたのかも知れない。

では我々の森にすむ血縁者は、アイレイドから何を学んだのであろうか?明らかに、高度な石細工と石工の技術の他はほとんどない。ハートランドのエルフの文化はウッドエルフの文化に永続的な影響をほとんど与えなかった様だ。ウッドエルフの意見は、エルデンルートの旧族長であるフォンロアにアイレイドについて尋ねたときの彼の返答である、以下の言葉に集約されている様に思える。「アイレイド?ああ、そうだな。いい奴らだった。だが自分達のことを真面目に考えすぎていたな。で、彼らに何が起きたんだ?」


Lore:Ayleid Survivals in Valenwood - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)(https://en.uesp.net/wiki/Lore:Ayleid_Survivals_in_Valenwood

ロアマスターズアーカイブ:グアルのすべて

Loremaster’s Archive: All Things Guar 04/17/2015 ダールモラの著名なグアル飼いであるエスクーが、グアルの飼育と訓練に関する皆さんの質問にお答えします。あなたが思っている以上に、知るべきことはたくさんあります! グアルへの関心が急に高...