LOREMASTER’S ARCHIVE: WORDS AND POWER
07/03/2014
発明家のテレンジャーが、付呪についての一風変わった理論を披露し、あなたの質問に答えます。
アーカイブから、また新たな一冊を取り出す時が来ました! 今回は発明家のテレンジャーが、彼の最新の理論を紹介したいそうです。きっと言葉の力について考えさせられることでしょう。また彼は、付呪がどのように彼の理論と結びついているのかを説明し、皆さんからの質問にも答えてくれます。
来週は、ひょっとしたら皆さんご存知の、フィリラニヤ夫人が登場します。仕立屋という職業や染料、あるいはElder Scrollsの伝承に関する話題についての質問は、……までお寄せください。
『言葉と力』
タムリエルの言語には、ただの便利な意思疎通の道具以上の役割があるのではないだろうか?私は様々な研究を通して、言語と魔法の繋がりを明示する例を無視できない頻度で発見してきた。特に今行っているルーンストーンの調査がそうだ。考えを言葉に流し込む行為そのものが、発動を意味するのではないだろうか?確かに過激すぎる考えだが、この考えを支持する証拠を提示したいと思う。水晶の塔のサピアルチが、この考えの是非を証明してくれることを心から願う。
まずは付呪のルーンストーンから始めよう。どの石にも文字の組み合わせから成る印が刻まれている。ルーン1文字だけでは効果がない。だが他の文字と組み合わせて適切に配置すると魔力を発揮する。完全な状態、つまり表現が完成すれば魔法が発動する。その言語を完全に理解していなくても、力を解放できる。十分な数の文字が存在していないし、はっきりとした発音もわかっていない、だがグリフを研究してルーンストーンを組み合わせることで、活用するために意図を理解することはできる。言語そのものが根底で魔法と繋がっているのは間違いないが、起源についてはまだわかっていない。
将来有望な付呪の学生たちには説明するまでもないが、解読不能なルーンに出会っても落ち込む必要はない。学んできた文字と文章を何度も復唱し、グリフからルーンを抽出することでようやく、さらに難しいルーンを解読するための知識を得ることができる。辛抱強く他の学生と一緒に研究し、グリフの作成と解体を行えば、いずれ相互作用と本当の意味を理解できるようになる。
特に文字がそうだが、言語はアルトマーにとっても非常に重要なものだ。我々の歴史を保管できるだけでなく、文字があるからこそ、未来を約束された我々の実態を捉えて定義し、全てのエルフに自分の立場を確認させることもできる。アルトマーの社会がタムリエルで最も整然としていて、系統立っているのは偶然ではない。それはザルクセスの意志なのだ。聖なる文字を扱う学者司祭は謎に包まれた存在だが、大昔に失われてしまった言葉を保管していると言われている。ヘラアメリルの「原形を繋ぎ止める者との会話」では、作者不明の文章の中で、巻物を利用することで味、匂い、踊る姿の幻影を作り出し、さらに例え読み書きができなくても、凝視するだけで読めるようになる文章を生み出せることが示唆されている。ヘラアメリルを信じるとするなら、これも文字による魔法の1つである。
日常に目を向けてみよう。戦争を始める際に偉大な将軍が演説を行えば、士気が上がり兵士は素晴らしい働きをする。熟練の吟遊詩人が歌えば感情が刺激される。子供にとって母親の声は癒やしの効果がある。会話や文字を通して意志を伝える日常生活の中に、魔法の断片のようなものが見えてこないだろうか?確かに消滅しつつあるかもしれないが、それは黎明期以前の力の名残かもしれない。細かい話はここでは省くが、タムリエルの歴史を紐解いていけば、この考察を支持する証拠はもっと見つかる。同僚たちとこの仮説について論じるのが楽しみだ。
発明家のテレンジャーがあなたの質問に答えます:
TELENGER THE ARTIFICER ANSWERS YOUR QUESTIONS:
「私はずっと、付呪、とりわけ魂石に魅了されてきました。魂石の中の魂を、付呪や呪文に力を与える以外の方法で利用することは可能でしょうか? 魂を取り出して、それを石の外で操作することはできないのでしょうか? モラグ・バルがこの魂の魔法の力を使うことを意図しているのは確かです──それなら我々も同じことができるはずではないですか?」── Araeynir Fireheartより
発明家テレンジャーの回答
「昨今、タムリエル全土では、魂縛や魂の操作に関する研究が盛んに行われているが、一人のアルトマーとして、そのような実験を善意に背いて容認することはできない。サマーセットではこのような魔法は最も暗き死霊術として正しく禁止されるだろう。その心の火を他の明るい追求に向けることを助言しよう」
「私はしがないブレトンの魔闘士で、つい最近になって付呪の技術を学び始めた者です。助手の助けも借りているのに、ルーンの研究が遅々として進みません。私は品質ルーンがよく不足していることに気づきました。それとは裏腹に、本質ルーンは持ちきれないほどあります。効力ルーンもいくつか持っていますが、私のレベルではとても理解できません。この技術をより早く習得するためのお勧めの方法はありますでしょうか?」── Marola Eponineより
発明家テレンジャーの回答
「ああ、若きブレトンよ......時に才能を示すが、往々にして性急だ! 私からの助言としては、同じ関心を持つ同志を探し、相互支援のためのコミュニティ、つまり付呪師ギルドのようなものを作るのを勧めよう。そうすれば、異なるアプローチを同時に追求することができ、結果として得られる知識を、全員が恩恵として得ることができる。また、自分たちの間でルーンを交換しあうこともできるだろう」
「『ルーンストーンの謎』に関するあなたの著作を非常に興味深く読ませていただきました。これは、この魅力的なテーマに関するこれまでで最も包括的な説明です。私は、ルーンストーンに関連付けられた言葉についてもっと知りたいと思っています。それはいかなる言語なのでしょうか? ルーンストーンがアイレイドの魔術師の実験の結果であるというNolin the Many-Huedの説は知っています。しかしながら、アイレイドの言葉で「火」は 「モラグ 」ですが、「火」に関連付けられた本質ルーンは 「ラケイパ」です。また、ルーンストーンの起源について、あなたの個人的な意見をお聞かせください」── Salagar Feynn, Evermore Mages Guildより
発明家テレンジャーの回答
「魅力的な問いだ。私自身もその研究に時間を費やしている。ルーンの研究によると、ルーンは循環的な記号で構成されており、それぞれの記号は動詞の音節として表現されている。例えば、「ジョラ」という初歩ルーン(※trifling rune)は「発展」と翻訳することができる。これは二本の直角に交わった線の組み合わせであり、それぞれ「ジョ」と「ラ」を意味している。これに「ジェ」を加えると「ジェジョラ」となり、「上昇」という意味の未完ルーン(※slight rune)になる」
「このように、ルーンの名前は限られた範囲内ではあるが法則性があり、かつ一貫した言語を形成していることが明らかだ。「どのような言語なのか」という質問だが、そこが我々の答えを使い果たしてしまうところだ。このルーンの言語は、歴史的に知られていないか、深遠の暁紀よりも前の文化にも由来しているようだ。個人的な推測では、深遠の暁紀に、タムリエルに広がったルーンストーン以外には痕跡を残していない付呪師の誰かか、付呪師の集団が、一から発明した言語ではないかと考えている」
参考文献:
FURTHER READING:
『ルーンストーンの謎』
発明家テレンジャー 著タムリエルの至るところで発見される神秘的なルーンストーンの起こりは、曖昧であり不明確だ。水晶の塔の賢者の間では、その本質や物質構成でさえ熱い議論の的となっている。神話史のサピアルチである尊者アンシリンクは、トリナーンの日記のとある難解な一節が、先駆の船乗りが古アルドメリスから到着した時、既にルーンストーンがここに存在したことを示しているという持論を展開している。しかしながら、付呪のサピアルチである「多彩なノリン」は、その起源は神話紀初期にさかのぼるとし、アイレイドの魔術師が実験に失敗したことで生じた予想外の産物だと強く主張している。
起源の真実がどうであれ、サマーセット諸島の魔法の優れた偉人たちによる長年の研究で、ルーンストーンの持つ様々な特性はほぼすべて特定され、武器、鎧、装飾品の付呪における使用についても解明された。大まかには3つに分類され、後の魔術師は、効力、品質、本質と呼んでいる。
付呪の目的では、これら3つの種類のルーンストーンは超自然的に補完するものとして理解される。付呪者は、それぞれの種類のルーンストーンを1つずつ組み合わせることによってのみ「グリフ」を作り出せる。「グリフ」とは、アイテムに魔力を与えるときに使う魔法の物質を示す専門用語である。
しかし、たとえ我々が魔法のアイテムの作り方を知っていようが、謎は残っている。ルーンストーンとは何か?我々は3つの基本的な区分を、効力、品質、本質と名付けた。だが、どういう意味なのか?名付け親である偉大な道化師ファリーズですら、意味を尋ねられた時に肩をすくめ、こう答えるしかなかった。「その名前がしっくりきたから」
3種類のルーンストーンがあるという事実ですら議論を巻き起こしている。二元性がアービスの基礎であると仮定するアヌ・パドゥの法則に矛盾しているように思われるからだ。リランドリルのカミロンウィは、ルーンストーンがたった3種類のはずがないと主張した。そして4つ目を見つけるために人生最後の200年間を捧げた。しかるべき分類は、そのように双数のペアになるという確固たる信念があったのだ。彼は、自ら迅速と呼んでいたこの「第4のルーンストーン」を見つけることはなかった。だが最後まで自身の理論は筋が通っていると言い続けた。
カミロンウィは正しかったのだろうか?通常の定命の者が認識できないある種の現実の中でのみ迅速のルーンストーンは存在するのか?それが、目下の答えられない問いだ。
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Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。
原文:Loremaster’s Archive: Words and Power - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1053)
訳:かみつき 2021年5月