LOREMASTER’S ARCHIVE: INTRODUCTION TO AEDRIC STUDIES
08/15/2014
エリンヒアのファラスタスが、新しい伝承の本とともに自身の専門知識を披露し、皆さんの質問に答えてくれます。
今回のロアマスターズ・アーカイブでは、エイドラとデイドラを取り上げ、主に前者に焦点を当てます。新しい伝承の本の紹介や、第2紀の著名な学者であるエリンヒルのファラスタスへのQ&Aもありますので、お楽しみに。
次回は、死と魂の運命について、クラシウス・ビリア大修道院長がお答えします。このテーマに関するご質問をお寄せください!
『エドラ研究への導き』
エリンヒルのファラスタスの講義概要
この一連の講義はムンダスにおけるエドラの顕現や影響力など、その本質と歴史に関して詳細に学ぶためのものであり、論争の的になっているいくつかの話題についても、近年主流になっている説を概略的に取り上げる。各講義の前に必須文献を読みこなしておけば、エドラへの認識が深まり、歴史調査から理論上のプラナー操作まで、様々な学問領域をさらに深く研究するための礎となるだろう。
それぞれが持つ文化的かつ個人的な先入観は捨てた方がいい。エドラはニルンを見下ろしいじくり回す強き「正しき」創造主であるというひどい誤解から、エドラとデイドラはムンダスを越えた永遠の戦いに縛りつけられているという推論まで、これまでの俗説は崩壊するだろう。本講義における過去の探求は、独善的な一部の学生を怒らせることもあったが(特に八大神などの神々に関する講義は)、これらの話題に関しては司祭ではなく研究者として取り組むことを強く推奨する。
エドラを創造神話以上に理解し、神々の因習について修得すれば、研究者として一回り大きく成長できる。本講義が要求する学びの姿勢とは、正しい方法論で学問的探求を続けていくことだ。すなわち、本講では珍重かつ希少な文献を使用し、精緻かつ象徴的なデザインの意味を紐解き、各主題に批判的な見地を加えていく。
講義の主題は以下の5つ:
講義1:創世神話の考察
講義2:アヌとパドメイの交流
講義3:エドラ対デイドラ
講義4:エドラのエネルギーと影響力
講義5:単なる「神々」を超えて
講義を完全に理解するには、講義前後の自主的な読書と、忍耐強くノートをとることが重要になる。自習用の参考文献は、校内に立派な蔵書庫があるのでそこで探せばよろしい。講義の準備を直前になって焦って始めることがないように。古代の希少文献は、こちらでは数冊分しか用意できない。
講義を聞くと、当然の流れとしてさらなる学習題材の探求に意欲をそそられるだろう。エドラの存在や創世への関与について新たな知識を得て、八大神との関係をさらに深く理解し、現在進行中の議論に触れることで、補助的な学習にも興味がわくはずだ。そのような場合は、ヘッチフェルド修道士、ミカエル・カルクソル修道士、シマーリーンのアイカンターの著作を推奨する(その他の文献は講義中に紹介する)。教材は慎重に選択してほしい。タネスのシンナバーの著作のような、偏見と調査不足が目立つ文献は避けるように。常に批判的な姿勢を忘れず、どんな学者の言葉であれ、それが絶対的な真理だと鵜呑みにしてはいけない。
エリンヒルのファラスタスがあなたの質問に答えます:
Phrastus of Elinhir answers your questions:
「私はアルトメリの宗教的世界観に 強い関心を持っています 。アルトメリのパンテオンの中で、アヌイ・エル(※Anui-El) がどのような役割を果たしているのか、ご意見を伺えればと思います。アーリエル(※Auri-El )聖堂の従者によると、アヌイ・エルは万物のアヌの魂であり、アーリエルの「魂の父」であるとのことです。彼女によると、この聖堂はアーリエルではなくアヌイ・エルに敬意を表して建てられたもので、多くの神殿のうちの1つだそうです。それから、アルトマーは「アヌイ・エルの意志」の代弁者たらんとしているとも読んだことがあります。それなら、アヌイ・エルとは、アーリエルよりも上位に位置する、上級王のようなものなのでしょうか。それともアルトメリの宗教の中では、役割が混同されているのですか? このような認識は、エルフの影響を受けているブレトンの信仰にも通じるのでしょうか?」──Aythan Uthywyr より
エリンヒルのファラスタスの回答
「秩序の本質であるアヌイ・エルを擬人化するのは、混沌の本質であるシシスを擬人化するのと同様の重大な誤りだ。それよりも、アービスに広がる宇宙の原理と考える方が有用だろう。アヌイ・エルがすべてのエイドラにある秩序的側面の本質で限り、すべてのエルフの聖堂はアヌイ・エルに捧げられていると言ってもいい。ハイエルフが「アヌイ・エルの代弁者たらんとしている」というのは、単に「他人が従うべき新しいルールを作りたい」と飾ったエルフの言葉で遠回しに言っているに過ぎないのだ」
「下級のエイドラの霊魂というものは存在しますか? 召喚したり接触したりすることはできるでしょうか? ちょうど下級のデイドラを召喚するのとは反対に。それと、もしエイドラが既に全員死んでしまっているか、それかニルンの創造に参加したために現在はなんらかの障害があるとしたら、誰かがエセリウスからその霊魂を召喚することは可能でしょうか。ひょっとしたらマグナ・ゲとか?」──Fimmp より
エリンヒルのファラスタスの回答
「下級のエイドラの霊魂は確かに存在するが、マグナスが創造の瞬間に退去して以来、ムンダスへ立ち入ることはなくなっているため、遭遇することはほとんどない。少なくとも私の知る限りそのような霊魂の接触に成功した例はない。これはおそらく、エイドラ的な存在を定命の者が認識できないためだろう」
「ムンダスが創られた時、エイドラは大量のパワーを犠牲にして自らが創造した次元を強固にし、その代償として彼らが今では元の自分たちの殻のようになっていることは知られています。しかしながら、私が疑問に思うのは、彼らの力の喪失は永続的なものなのか、それとも時間をかけてゆっくり力を取り戻しているのかということです」──Captain_P より
エリンヒルのファラスタスの回答
「その犠牲によって作られた次元の中に我々が存在している以上、それは考えられない。エイドラの復元とはつまり、ムンダスの減少または弱体化を意味するように思われる。そのような減少は検出されていない」
参考文献:
Further Reading:
『デイドラ崇拝:チャイマー』
エリンヒルのファラスタス 著
かつてチャイマーとして知られたエルフによるデイドラ崇拝の歴史は、オブリビオンの主と呼ばれる者達と関わることの危険性について教えてくれる貴重な実例である。レディ・シンナバーなど、近代のデイドラ崇拝擁護者が注意を払うべき話だ。
タネスの気性が荒い女でさえ否定できない事実から話し始めよう。エドラ(神々)はオブリビオンの混乱の中からニルンを作り出した。定命者の次元であるムンダスにおける肉体となり、エルフの伝説によると、アルドマーの直接の祖先であった。エドラは深遠の暁紀のエルフにとって聖なる敬意を払う自然な対象であり、初めての組織的な宗教はこれらの神々を崇拝した。
しかしニルンの誕生後、エドラは自分達の生物から手を引き、距離を置き、冷淡になり、定命の者に興味を示さなくなった。ただしムンダスの外にある無限なる様々なオブリビオンでは、別に(「エドラではない」という意味の)デイドラと呼ばれる偉大な力を持った神のような者達が存在し、エドラが作成した領域に悪い意図を持って興味を示し始めていた。これらの存在の中でも特に強力な者達はデイドラ公と呼ばれ、各自のオブリビオンの次元を支配しており、それでもエドラの創造の能力を受け継いだニルンの定命の者に対して嫉妬していた。デイドラは変化と変形の達人ではあるものの、存在しないものを新たに作り出すことはできず、その能力はそんなデイドラを超えるものだったのだ。
しかし、デイドラ公がニルンの定命の者と同じように持っていた性質がある。あらゆる種類の力を求める強い欲望である。この有害な欲望は、定命の者によるすべてのデイドラ崇拝の基盤である。奉公と崇拝と引き換えに、デイドラ公は力を提供する。たいていの場合、この力は知識という形で提供される。最も魅惑的であり最も危険度が低そうなデイドラの誘惑だ。
この誘惑がどれほど魅惑的かを説明するために、サマーセットの昔のアルドマーを見てみよう。横暴な彼らは自分達がエドラの直系の子孫だと考えていたが、実はデイドラ崇拝を支持した初めての大規模な宗派は、他でもないサマーセットの中心で生まれた。そして、水晶の塔の虹色の陰の中で、預言者ヴェロシと呼ばれる者がデイドラ公ボエシアと連絡を取り、贈り物を受け取ることに合意した。彼は、ヴェロシの預言に「善のデイドラ」(ボエシア、アズラ、メファーラ)崇拝の教えについて詳しい説明を記し、さらに「悪のデイドラ」(モラグ・バル、マラキャス、シェオゴラス、メエルーンズ・デイゴン)の機嫌を取って交渉する方法についても記した。
サマーセットの愚かなアルドマーにとって、善のデイドラが教えてくれる芸術と技術は、エドラの司祭が言う格言や決まり文句よりも役立つように思われた。多数のエルフのクランがヴェロスを預言者や助言者として受け入れた。アリノールのサピアルチが当然ながらこの分派を禁じると、ヴェロスは彼に忠実なエルフのクランを連れて諸島を離れ、海を越えたタムリエルの反対側へ渡り、現在モロウウィンドとして知られる土地に住み着いた。チャイマーとして知られるようになる聖ヴェロスの信徒は、デイドラからの実在しない「贈り物」のためなら、黄金色に輝くサマーセットの天国を諦めて、灰色のモロウウィンドの苦境を受け入れた。チャイマーは、ボエシア、アズラ、メファーラを祭る素晴らしい聖堂を建て、モロウウィンドで崇拝の慣習を築き上げ、それは後にトリビュナルが取り入れることになった。
歴史を学び始めたばかりの学生でも知ってるように、こうしたデイドラとの大規模な火遊びは、必然的に戦争と大惨事につながった。チャイマーの文明はレッドマウンテンの戦いで滅び、かつての女主人であったアズラの呪いによって、優れたチャイマーは不機嫌で脅えたダンマーへと変身させられた。それ以降、モロウウィンドはトリビュナルの下でデイドラ崇拝をやめたが、もう被害は出た後だった。
現在、デイドラはタムリエル全土で恐れられ、忌み嫌われている。当然のことだ。しかし、歴史の教訓があるにも関わらず、誤り導かれた者達が、いまだにデイドラの主と関わっても問題ない、受け入れてもいいのだとさえ主張している。レディ・シンナバーのようなそういう者達に言いたい。「デイドラと手を結んで良い結果が出たことなどあっただろうか?」と。
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Elder Scrolls Online公式サイトにて掲載されたLoremaster’s Archiveの記事を日本語訳したものです。ESOゲーム内書籍として実装されていない本については英語の題名と著者名を併記してあります。ゲーム内書籍として実装されている本については、訳はESO日本語版同書籍のものです。
原文:Loremaster’s Archive: Introduction to Aedric Studies - The Elder Scrolls Online(https://www.elderscrollsonline.com/en-us/news/post/1131)
訳:かみつき 2021年10月